成功する経営改善の方法|経営改善のプラン作りから効果的運用法まで徹底解説

成功する経営改善の方法

 

経営改善とは企業の事業価値を高める活動のことである。

 

資本主義経済は競争のうえに成り立っているので、経営改善ほど重要な活動はなく、経営改善の手を緩めると、時を待たずして事業価値が陳腐化(低下)し、たちまち競争から取り残されてしまう。

 

この記事では、成功する経営改善の方法、並びに、経営改善のプラン作りから効果的運用法に至るまで、詳しく解説する。

 

 

経営改善は計画が肝になる

 

経営改善なくして会社の成長はなく、経営改善をせずに日々を過ごしていては、会社は衰退する一方になる。

 

中小企業経営者は、まずこのことをしっかり肝に銘じる必要があるが、じつは、経営のプロの助けなく正しく経営改善を遂行できている経営者は多くない。

 

わたしの経験から言うと、経営改善が正しく遂行できている経営者は10人中2~3人くらいだ。

 

そのほかの経営者は、経営改善の内容が妥当ではない、或いは、そもそも継続的に経営改善がされていない、のどちらかである。

 

誤った経営改善は、会社の成長にちっとも貢献しない。従って、正しい経営改善のプラン(計画)を策定することが、会社成長の第一歩になる。

 

 

経営改善は現状と目標から

 

経営改善しようにも、どこから手をつけて良いのか分からない、といった経営者もいるかも知れないが、難しく考える必要はない。

 

二つの軸を意識した経営改善プランを作れば、自ずと正しい内容に仕上がる。ひとつは「現状認識」、もう一つは「目標設定」である。

 

経営改善は、現状と目標の差を埋めるために行う活動なので、現状認識、或いは、目標設定の一方が欠けると、まともな経営改善プランが作れなくなる。また、誤った現状認識や目標設定も同様の結果を招く。

 

例えば、一生懸命、経営改善に取り組んでいるにも拘わらず、次のような症状が出ている会社は、経営改善のプランを誤っている可能性が高い。

 

☑一向に経営が良くならない

 

☑赤字経営から抜け出せない

 

☑むしろ業績が悪化している

 

☑新商品や新規事業が軌道に乗らない

 

☑競争が激化する一方で優位性が見いだせない

 

このような自覚症状がある中小企業は、経営改善プランの現状認識と目標設定の一方が欠けていないか、若しくは、現状認識と目標設定の一方を見誤っていないか、という視点で、一度、経営改善プランを見直した方が良いだろう。

 

誤った経営改善プランに一生懸命取り組んでも無駄な努力で、場合によっては、失敗しか道がないという状況に追い込まれることもある。

 

 

経営改善の現状認識の効果的方法

 

経営の改善点は無数にある。

 

改善点が無数にあるということは、認識すべき現状や目標も無数にあるということだ。

 

例えば、会社の数字ひとつとっても、売上から利益、資産から負債、貯金から借金など等、数字の範囲は無限に広がる。顧客と市場を見渡しても、顧客の嗜好、流行、時流、販売チャネル、将来性、価格、デザインなど等、認識すべきポイントは広範囲にわたる。

 

このような膨大な情報下において、現状認識を正しく行うのは至難の業だ。

 

現状認識を誤らないためには、一定レベルの精度で情報を整理する技術を経営者自身が身につける必要があるが、情報整理に有効なツールを二つ紹介する。

 

ひとつは「管理会計」、もう一つは「スワット(SWOT)分析」である。

 

管理会計は会社の数字の現状を正しく捉える上で欠かせないツールで、スワット分析は会社の強みと弱みを正しく捉える上で欠かせないツールになる。

 

業績改善、或いは、会社の長所の強化や弱点の解消は、現状を正しく捉えるところから出発する。当然ながら、現状認識を誤ると打つ手を間違えて、業績が悪化したり、せっかくの強みが弱体化することが起こり得る。

 

現状認識を誤らずに経営改善を成功に導くには、管理会計とスワット分析が不可欠なので、上手に活用することをお薦めする。

 

 

経営改善の目標設定の効果的方法

 

経営改善の目標は、1日後、1週間後、1ヶ月後、1年後といった時間軸で小分けする、或いは、スケールの大中小、又は、実現難易度の高低で小分けするなどして、段階を小さく分けて設定すると実現度が高くなる。

 

経営改善の目標設定は、大きいもの一つ、或いは、小さいもの一つ、だけでは十分な効果が得られない。

 

例えば、1年後の目標ひとつを掲げた経営改善と、1年後の目標達成のために必要な365日分の段階目標を掲げた経営改善を比べた場合、目標達成の実現度が高いのはどちらだろうか?

 

比べるまでもないが、後者の小さな段階目標を設定した経営改善の方が、効率的かつ効果的に目標にたどり着く。

 

大きな目標を掲げて、その目標を実現するための小さな目標を段階設定することが、経営改善を成功に導く秘訣である。

 

大きな目標に向かって小さな目標を一つずつクリアしていくと、目標達成のハードルはどんどん低くなる。

 

最終目標をクリアするために必要な小さな目標の段階設定が、効果的かつ効率的な目標達成を実現する方法であり、経営改善を成功に導く秘訣でもあるのだ。

 

伊藤のワンポイント
 

経営改善は企業の生命線になります。しかし、闇雲な経営改善は衰退リスクを高めるだけですので、経営改善のプラン作りと推進方法は慎重かつ正確に取り組む必要があります。成功の秘訣は「正しい現状認識」です。ここが決まれば、正しい目標が納まり、経営改善の行動基準も明快になります。