儲かる仕組みの作り方|儲かる型が利益拡大を後押しする

儲かる仕組みの作り方|会社を儲かる型にはめれば自然と利益が拡大する

 

会社経営の目的は利益最大化にあるので、儲かる仕組み作りは会社存続に欠かせない取り組みになる。

 

利益最大化のコツは、儲かる仕組みを積極構築し、儲からない仕組みを徹底排除するところにある。

 

この記事では、儲かる仕組みの作り方について、詳しく解説する。

 

 

儲かる仕組みの判別は?

 

儲かる仕組みと儲からない仕組みの判別は簡単だ。

 

例えば、「売れば売るほど利益とお金が増える」或いは「売上が一定でも利益とお金が増える」といった現象は、儲かる仕組みがうまく機能していることを表している。

 

逆に、「売れば売るほど利益とお金が減っている」或いは「売上が一定なのに利益とお金が減っている」といった現象は、儲からない仕組みが定着していることを表している。

 

当たり前だが、儲からない仕組みをいつまでも放置すると、会社の経営は破たんする。

 

儲からない仕組みは時間が経てば経つほど、儲かる仕組みに転換することが難しくなるので、儲からない仕組みを発見した場合は、待ったなしで改善しなければならない。

 

 

儲かる仕組みの基準は?

 

儲かる仕組みの判断基準は「利益と現金」に置くと良い。

 

なぜなら、企業の生存を保証する要素は「利益であり、現金」だからだ。

 

当たり前だが、利益増加、或いは、現金増加、といった具体的実感がなければ、儲かる仕組みが機能しているとは言えない。

 

売上が増加している一方で利益が減少することは良くあることだし、利益が増加している一方で資金繰りのミスから現金が減少することは良くあることだ。

 

儲かる仕組みの判断基準を利益と現金に置くことが、儲かる仕組みを作る第一歩になる。

 

つまり、利益と現金を意識した会社経営なくして、儲かる仕組みは作れないのだ。

 

 

会社が儲かる仕組みの作り方

 

儲かる仕組みの作り方は簡単である。

 

絶対目標に「利益」を掲げると、割かし短期間で儲かる仕組みが作れる。

 

儲かる仕組みを作るうえで活用できる、おススメの利益目標を二つ紹介する。

 

ひとつは「売上総利益率(粗利率)」、もう一つは「売上総利益高営業利益率(粗利高営業利益率)」だ。

 

いづれもすべての中小企業で活用できる優れた利益指標で、それぞれの計算式は下記の通りである。

 

売上総利益率(粗利率)=(売上総利益÷売上)×100

 

売上総利益高営業利益率(粗利高営業利益率)=(営業利益÷売上総利益)×100

 

売上総利益率(粗利率)は、業種業態によって目標水準に差があるが、1%でも高くすることが目標基準になる。

 

売上総利益高営業利益率(粗利高営業利益率)は、業種業態に関係なく、20%が目標基準になる。

 

※ 売上総利益高営業利益率が20%であっても営業利益金額が小さいと安定経営の確保が困難な場合がある。従って、売上と営業利益金額を常に拡大するという目標も決して忘れてはいけない。

 

 

儲かる仕組み作りの事例

 

儲かる仕組み作りの事例を一つ紹介する。

 

下のグラフは、わたしが経営指導した中小企業の目標と実績の差を表したものである。グラフの数値は、経営指導に入る1年前の実績である。

 

 

ご覧の通り、売上総利益率(粗利率)と売上総利益高営業利益率(粗利高営業利益率)のふたつの利益目標があるべき姿(目標)に達していないことが分かると思う。

 

下のグラフは、経営指導に入って1年後の実績である。

 

 

ご覧の通り、売上総利益率(粗利率)と売上総利益高営業利益率(粗利高営業利益率)を改善した結果、現金水準と支払能力を示す当座比率が飛躍的に改善したことが分かると思う。

 

このように、絶対的な利益目標を目指して事業を再構築すると、短期間で儲かる仕組みを作ることができる。

 

また、一つひとつの商品、一つひとつの取引先、一つひとつの事業の損益を詳細分析して、儲からない仕組みを徹底的に排除することも、儲かる仕組みを作る効果的な方法になる。

 

 

儲かる仕組みは至るところにある

 

会社経営をするうえで「仕組み」ほど、重要なものはない。

 

なぜなら、経営活動の仕組みの優劣で、会社の儲かり具合が決まるからだ。

 

例えば、儲かる仕組みに繋がる、主な経営活動の例を挙げてみる。

 

☑情報発信の仕組み=顧客創造

 

☑挨拶の仕組み=サービスの向上

 

☑営業活動の仕組み=売上の増加

 

☑社員教育の仕組み=組織力の向上

 

☑経営管理の仕組み=経営力の向上

 

☑品質・安全・技術管理の仕組み=付加価値の向上

 

仕組みができている会社とそうでない会社の儲かりには、大きな差が生じる。

 

当然ながら、儲かる仕組みに繋がる様々な経営活動が仕組み化できている会社は、高いレベルで儲かる仕組みをキープすることが可能になる。

 

一方、もろもろの経営活動が仕組み化できていない中小企業はどうなるだろうか?

 

すべての経営活動が場当たり的な行動になってしまい、高いレベルで儲かる仕組みがキープできないことは容易に想像できるだろう。

 

こうした経営活動を儲かる仕組みに再構築する、或いは、最適化する経営改善活動が儲かる仕組みを発掘・定着させる正攻法になる。

 

【関連記事】中小企業の盛衰は経営改善で決まる

 

 

儲かる型が利益拡大を後押しする

 

仕組み化を端的に表現すると「型にはめる」ということだ。

 

型には、不揃いの集団の力を均一に整えて、一定のレベルに引き上げる効果がある。

 

例えば、洋菓子を作る際に型(型・レシピ・手順書など等)があれば、熟練者も未熟者も能力に関係なく、一定レベルの品質の洋菓子を作ることが可能になる。

 

会社経営も同じである。

 

如何に良い型を作り上げるかが儲かる仕組みを作る秘訣になり、儲かる型が利益拡大を後押しする。

 

また、基本の型がなければ「型なし人間」ばかりの組織になってしまうが、基本の型があれば「型破り」な有能な人材をたくさん輩出することができる。

 

会社の儲かり人材育成も「」、つまり、仕組みがカギを握っているのだ。

 

仕組み化は「日常化」と言い換えることもできる。

 

新しい仕組みを導入する際は、組織に多少のストレスを与えるが、一度、仕組みが日常化してしまえば、過度なストレスなく、良い結果だけが生み出されるようになる。

 

仕組みが誤っていれば元に戻せば良いだけのことで、挑戦と創意工夫なくして、儲かる仕組みは作れない。

 

伊藤のワンポイント
 

儲かる仕組み作りは、利益意識を持ち、正しい利益目標を運用することが第一です。そして、赤字要因を徹底排除する一方で、利益拡大の成功体験を仕組化(パターン化)し、周囲の環境変化に合わせてPDCAサイクルを回し続けることです。成功体験は変化と共に通用しなくなりますので、PDCAサイクルを忘れないでください。