業績に責任を持たない経営コンサルタントは意外と多い。
都合よく報酬を支払ってくれる会社に寄生する経営コンサルタントも沢山いる。
この記事では、経営コンサルタントの失敗パターン、並びに、コンサル選びで失敗しない秘訣について、詳しく解説する。
私が考える経営コンサルタントの失敗定義は、業績に貢献しているか、していないかである。
従って、長年、経営コンサルタントが経営サポートしているにも関わらず、赤字経営に陥っている会社は、コンサル指導が失敗しているといえる。
じつは、会社の経営が危機的状況に陥る直前まで居座る経営コンサルタントは意外と多い。
わたし自身、企業再建の現場でこうした経営コンサルタントの存在に憤りを感じたことが多々あるし、業績に責任を持たない経営コンサルは本当にいる。
「うちの会社は〇〇先生に経営コンサルを依頼しているので、経営に問題はありません。」
このように自信満々で仰る中小・中堅企業の社長さんは少なくないが、じつは、コンサルが会社の足を引っぱっているケースは珍しくない。
先日も、とある中小企業の社長さんが同じようなことを仰っていたので、参考までに決算書を拝見させて頂いたところ、その会社の業績は、過去3年間、赤字経営だった。
赤字経営の行きつく先は倒産である...。
よくあるパターンだったので驚きもしなかったが、業績に責任を持たない経営コンサルタントは本当に多い。
当然ながら、会社の業績改善に貢献しない経営コンサルタントから身を守る術を経営者が身につけないと、会社と経営コンサルタントの間に「都合の良い関係」が成立してしまい、雇った会社側だけが損をするという滑稽な状況が生まれてしまう。
※ちなみに上記例で挙げた会社はわたしが経営コンサル指導を引継ぎ、黒字経営(健全経営)にV字回復している
経営コンサルタントの中には、月3万円~10万円を支払ってくれる都合の良い中小企業を探して、経営改善そっちのけで会社に寄生する方がいる。
そもそも会社の数字を診ることができない経営コンサルタントも沢山いる。
会社経営のコンサル範囲はとても広いが、少なくとも業績に関係する、営業系コンサル、コストカット系コンサル、ネット販売が得意なIT系コンサルは、数字を意識して、会社の業績に責任をもってもらいたいものだ。
ちなみに、会社の数字を診ることのできない経営コンサルには特徴がある。
最たる特徴は、その会社の最良の未来予想図を実現するための経営改善計画(利益改善)の具体的プランを示せないということだ。
中小・中堅企業の経営経験が乏しく、なお且つ、数字に弱い経営コンサルタントは、理想論や一般論は自信を持って語るが、現実的に実行可能な具体的経営指導が殆どできない。
中小・中堅企業の経営経験のない大手出身者に多いが、知識だけは豊富なので、知識の浅い経営者の場合は、ついつい引き込まれてしまう。
結局、経営改善(利益改善)ができないまま雇い続けてしまい、コンサル報酬だけ吸い取られる衰退スパイラルにハマってしまうのだ。
経営コンサルタントの失敗の責任を誰がとるのかというと、最終的には、依頼した張本人である経営者が取るということになる。
このような経営コンサルタントから身を守るには、経営者が数字に強くなり、経営コンサルタントの指導効果を測定するスキルを身につけるしかない。
少なくとも、赤字経営と黒字経営の区別と利益改善の正確な測定スキルは必須だ。
経営コンサルタントの指導効果を測定できるようになると、効果のない経営コンサルタントは契約解除へ、効果のある経営コンサルタントとは長期契約へ、というように、会社の更なる成長に向けた合理的判断を即座に下せるようになる。
また、会社の業績に貢献していない経営コンサルタントから報酬だけ吸い取られるという、滑稽な関係性も未然に防ぐことができる。
なお、経営コンサルタントの指導効果が出ていない場合は、社員が感覚的に気が付いていることが多い。
心当たりのある経営者は、社員に聞いているとよい。
経営者:「あの先生のコンサル効果は出ていると思う?」
社 員:「いてもいなくても変わらないと思います。」
経営者:「...」
会社を更なる成長に導くために経営コンサルタントを招聘する場合は、経営者がコンサルタントの能力(主に人間力・経営力・数字力)をしっかり見極める厳しい眼を持つことが大切だ。
経営コンサルタントの助けを借りて会社を拡大することは経営の基本セオリーです。問題は会社にフィットする経営コンサルをいかにして選ぶか、ですが、会社の経営課題の本質さえ明らかになっていれば、失敗が少なく済みます。また、経営相談や経営セミナーに参加して事前に相性を確かめることも有効です。