中小企業向けの有能な経営コンサルタントには条件(特徴)がある。
中小専門で活躍している経営コンサル等はその典型になるが、有能な条件から外れると、経営コンサルのサポートが災いすることもある。
この記事では、中小企業向けの有能な経営コンサルタントの条件について、詳しく解説する。
私の経験上、中小企業の経営者が有能な経営コンサルタントと巡り合える確率は決して高くない。
むしろ、コンサル選びに失敗する確率の方が高く、事実、コンサル選びに失敗したことが災いして、衰退してしまった中小企業は決して少なくない。
経営コンサルタントの専門分野は多岐に亘る。
例えば、経営全般に強い経営コンサルタントの他にも、人事面、製造面、営業面、開発面等々、各分野に特化した部分コンサルタントも、外面的には経営コンサルタントの範疇に入る。
万が一、コンサルの専門分野を見誤ると、ミスマッチに陥り、会社は簡単に衰退する。場合によっては、危機的状況に至るまで、経営コンサルに会社を食い物にされることもあり得る。
コンサル選びで失敗しないためには、こちらのニーズ(問題の本質)とコンサル側の専門分野をしっかり見極める必要があるが、この選別眼を養うには社長の経営力を引き上げる必要がある。
そして、この経営力を引き上げるのに最適なサポート役が、経営全般に強い経営コンサルタントになる。
中小企業の経営サポートが得意な経営全般に強い経営コンサルタントの条件を解説する。
中小企業が会社の成長を加速するために専門家を活用することは成功のセオリーなので、しっかり条件を抑えて、経営コンサル選びに活かしてほしい。
中小企業専門のコンサル条件1は「経営力が高い」だ。人間力、決断力、数字力、分析力、構想力、リーダーシップなど等の社長の必須スキルとマインドが必須条件になる。また、中小企業の経営経験があり、主に中小企業の経営コンサルに特化していることも重要で、部分コンサルが見落とす恐れがある経営課題の本質を的確に捉えるスキルも必須条件になる。
中小企業専門のコンサル条件2は「改善力が高い」だ。その会社の最良の未来予想図を実現するための経営改善計画書の策定はもちろん、計画を推進する実現可能なプランを提示し、しっかり改善実績を出す事が必須条件になる。利益拡大、現金増加、成長加速など等、とにかく、結果を出す経営コンサルは、改善力が高い。
中小企業は資金、人財、情報など等、あらゆる経営資源がナイナイ尽くしという状況も珍しくない。乏しい経営資源を最大化(最適化)するため、或いは、想定外の経営課題を解消するためには応用力が必須条件になる。経営者の悩みを解決するカギや成功の必然性を高めるカギは応用力から生まれる。
中小企業の経営サポートに適した有能な経営コンサルタントには、
・正しい決断を支える経営ブレーン
・経営課題を発掘解決する経営ドクター
・経営者の孤独と不安を解消するメンター
としての役割と資質が十分に備わっていて、ブレーンとして、或いは、ドクターやメンターとして、常に新しい未来を提示できる実力を有してることが、有能なコンサルタントの条件になる。
経営コンサルタントの活用は、会社の成長スピードを加速する有効な手段なので、以上の条件に合致する経営コンサルタントと巡り合えれば、その効果は飛躍的に高まる。
経営コンサルタントの最初の仕事は、経営診断になる。
経営診断なしで経営指導を始めようとする経営コンサルタントは、経営全般に強い経営コンサルタントではないので注意してほしい。
事前に会社の経営状況を理解しなければ、正しい経営指導ができないことは想像に難くないだろう。例えれば、診察なしで、治療や薬を処方しようとする医者のようなものだ。
経営コンサルタントとの長期契約に抵抗を感じる場合は、経営診断内容(経営改善計画書)を確認したうえで、経営サポートの依頼を検討するのが良いだろう。
或いは、初期診断の内容に物足りなさを感じたり、経営者自身の力で提示された経営改善プランを遂行できるのであれば、そこで終わりにするのもひとつの選択になる。
中小企業専門の経営コンサルタントの相場はピンキリだが、概ね月額20万~30万円(経営診断・経営相談・経営指導料込)が有能な経営コンサルタントの相場になる。
有能な経営コンサルタントはコンサル報酬以上の利益を会社にもたらしてくれるので、経営者の参謀としてコンサルタントを抱えるのは賢い選択だ。
また、経営者は社員に相談できないことをたくさん抱えるので、社長の相談役(精神的支柱)というメリットもある。
さらに、経営コンサルタントが保有している有益な経営ノウハウを吸収できるメリットもあるので、費用対効果は非常に高い。
中小企業の経営サポートが得意な経営全般に強い経営コンサルタントの条件、資質、診断力、相場について解説したが、あとは、直に面談して能力など確かめることが大切だ。
経営コンサルタントの力量や経営サポートの方針等を徹底的に質問責めして、能力や相性に問題なければ依頼しても問題ないと思うが、質問に対して曖昧な回答しか返ってこない経営コンサルタントであれば、依頼を見合わせた方が良いだろう。
もしかしたら、その経営コンサルタントは単純に経営力が低いか、または、経営の一部分を専門とする部分コンサルタントかも知れない。
既に目星をつけている経営コンサルタントに仕事を依頼するか否か迷っている場合は、経営相談を申し込んで経営者が抱えている悩みや会社の課題をぶつけてみるのもひとつの選択だ。
経営相談の報酬相場はせいぜい1時間1~3万円程度である。(目的がコンサル検討の場合は無料が多い)
面談時の受け答えを聞いて、信頼感が増せば依頼すればいいだろうし、踏み切れない場合は納得できるまで話し合うのが良いだろう。
安定経営の実現に経営コンサルタントの活用ほど効果的な方法はありません。経営の客観性が高まり、失敗リスクが減り、成長スピードが加速するからです。問題は、ミスマッチに陥らないことです。経営コンサルタントの活用にご興味のある経営者は、伊藤が主催する経営セミナーにお気軽にお越しください。