売上占有率(構成比率)の計算式と適正水準|販売先のリスク管理指標

中小企業の販売先のリスク管理手法

 

売上高占有率(構成比率)とは、会社全体の売上高を占める販売先毎の売上高占有率(構成比率)のことである。

 

売上高占有率(構成比率)は、販売先のリスク管理に欠かせない指標であり、日常的にモニタリングすることで販売リスクを軽減することができる。

 

この記事では、売上占有率の計算式と適正水準、並びに、販売先のリスク管理の基本について、詳しく解説する。

 

 

売上高占有率(構成比率)とは?

 

売上高占有率(構成比率)とは、会社全体の売上高を占める販売先毎の売上高占有率(構成比率)のことで、販売先のリスク管理に用いる経営指標になる。

 

中小企業は販売先毎にリスク管理を行わないと、思わぬところで倒産の危機を迎えることがある。

 

販売先のリスク管理の指標は、売上高占有率(構成比率)の他にも、与信リスク、品質リスク、市況リスクなど等、様々あるが、最も重要視すべき指標は「売上高占有率(構成比率)」になる。

 

中小企業においては、売掛金の貸し倒れに伴う連鎖倒産が、最たる販売リスク(衰退リスク)になるからだ。

 

 

売上高占有率(構成比率)の計算式

 

売上高占有率(構成比率)は、販売先のリスク管理(特に連鎖倒産のリスク管理)に欠かせない指標であり、日常的にモニタリングすることで販売リスクを軽減することができる。

 

売上高占有率(構成比率)の計算式は下記の通りである。

 

売上高構成比率(占有率)=(販売先の売上高÷会社全体の売上高)×100

 

例えば、会社全体の売上高が1,000万円で、会社全体の内、ある販売先が100万円の売上高であった場合、その会社の売上高占有率(構成比率)は、100万円÷1,000万円×100=10%になる。

 

なお、販売先毎の売上総利益率が一定であれば「売上高占有率(構成比率)」で問題ないが、販売先毎に売上総利益率の水準が区々の場合は、「売上総利益高占有率(構成比率)」で計算した方がよい。

 

 

売上高占有率(構成比率)の適正水準

 

売上高占有率(構成比率)の適正水準(連鎖倒産等のリスク判定基準)は下記の通りである。

 

売上高占有率(構成比率)の適正水準

5%以下

全ての販売先の売上高占有率(構成比率)が5%以下であれば、超優良水準といえる。販売先のリスク分散が万全なので連鎖倒産の危険性は極めて低い。

 

6~10%

売上高占有率(構成比率)が6~10%の中に販売先が数社入っている程度であれば標準水準といえる。但し、4社以上ある場合は、連鎖倒産の危険性がある。なるべく5%以下に抑えられるよう、リスク分散を進めた方がよい。

 

11~20%

売上高占有率(構成比率)が11~20%の中に販売先が1社でも入っているようであれば要改善である。連鎖倒産の危険性があるので、速やかに10%以下に抑えられるよう、リスク分散を進めた方がよい。

 

20%以上

売上高占有率(構成比率)が20%以上の販売先が1社でもあるようであれば早急な改善が必要だ。連鎖倒産の危険性が極めて高いので、早急に販売先の新規開拓、新商品の投入等の対策を講じる必要がある。万が一、課題を先送りして、当該販売先が消滅、或いは、倒産すると連鎖倒産が現実のものになる。

 

売上高占有率(構成比率)がリスク管理の指標になる

 

下請け構造の中小企業は、少数の大口販売先によって経営が成り立っている会社が多い。

 

しかし、会社全体の売上の大部分を少数の大口販売先に依存し過ぎると、会社の倒産リスクが高まる

 

例えば、大口販売先の倒産が引き金になり会社が倒産することを「連鎖倒産」というが、連鎖倒産の危機を含んでいる中小企業はじつに多い。

 

大口販売先の取引が消滅すると、正常な会社経営が出来なくなるほどの打撃を受け、一瞬で会社経営が行き詰まる。

 

こうした連鎖倒産のリスクを解消するには、販売先毎に売上高占有率(構成比率)を把握し、大口販売先の依存度を下げる努力が欠かせない。

 

リスクヘッジを怠ると、会社の衰退リスクが高まる一方になる。

 

日頃から先見性をもって現状を分析し、将来リスクを摘み取る努力を継続してれば、会社の衰退リスクを抑える事ができる。会社経営は時には臆病な面も必要で、販売先のリスク分散を行うことが安定経営の秘訣になる。

 

伊藤のワンポイント

販売先のリスク管理は経営者の重要な仕事です。この記事で解説した売上高構成比率の他にも、赤字取引を防ぐ利益分析、モラル違反を防ぐ品質・倫理管理、将来リスクに対応する経営課題分析なども、リスクヘッジに不可欠な管理です。衰退する企業ほどリスク管理が不十分です。決して手を抜かないでください。

 

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