経営指標の業界平均は様々な機関が集計している。
例えば、中小企業庁、日本金融公庫、TKCグループ等のホームページにアクセスすれば、経営指標の業界平均を誰でも閲覧することができる。
しかし、会社経営の目標に掲げるのであれば、経営指標の業界平均は全く当てにならない。この記事では、経営指標の業界平均は当てにならない理由と共に、ベストな目標になり得る絶対値について詳しく解説する。
経営指標の業界平均は、中小企業庁、日本金融公庫、TKCグループ等のホームページにアクセスすれば、誰でも閲覧することができる。
経営指標と対象業界も多種多様で、中小企業庁は44業種8分析項目、日本金融公庫は302業種29分析項目、TKCグループは505業種14分析項目など、それぞれ事細かに業界平均が分析・公開されている。
主だった経営指標は、営業利益率、経営資本回転率、従業員1人当り年間粗収入高、売上総利益率、経費比率、人件費比率、当座比率、流動比率、自己資本比率などがある。
主だった業界は、建設業、製造業、卸売業、小売業、運輸業、通信業、不動産業、サービス業などがある。また、年商規模、社員数、創業年数、上場・非上場などを基準に業界平均を公開しているケースもある。
経営指標の業界平均を知ることで、その業界におけるポジショニングや業績改善の目標値が分かるかも知れないが、経営指標の業界平均は当てにしない方がよい。
なぜなら、業績平均は、少数の好調企業の数値を多数の不調企業が足を引っぱる構図で計算されているからだ。
下図は業界平均の計算構造を示したグラフである。
ご覧の通り、僅かな上位集団の実績を、数多の下位集団が足を引っ張る構図で業界平均が計算されていることが分かると思う。
業界平均イコールみんなと一緒という安心感を抱くかもしれないが、みんなと一緒レベルでうまくいくほど会社経営は甘くない。周囲から一歩抜け出すには独立独歩で高い目標を掲げることが欠かせない。
会社経営の本質は、他力本願ではなく自力本願である。
つまり、他人の実績が多く混入した業界平均よりも、自己研鑽を加速する絶対的な目標値を掲げた方が成長を阻害する会社の欠点や課題が明かになり、経営改善が効率化される。
以下に紹介する経営指標はどんな業界であっても通用する目標参考値だ。業界平均に頼ることなく、上手に活用することをお薦めする。
その他の経営指標に関しても業界平均に頼ることなく、常に前年よりも良い数値に改善する経営努力が基本姿勢になる。