成長率の計算方法|売上・利益・企業・人時生産性の成長率

成長率の計算方法|売上・利益・企業・人時生産性の成長率

 

成長率の計算は、経営分析の要になる。

 

なぜなら、成長なくして、企業の存続はないからだ。

 

この記事では、成長率の計算方法、並びに、売上・利益・企業・人時生産性等の成長率の計算方法に至るまで、詳しく解説する。

 

 

成長率の計算方法

 

基本の成長率の計算方法について、詳しく解説する。

 

成長率の計算方法は、ある期間の「現在と過去の2つの地点の差」の「過去の値に占める構成比率」を求めることで計算できる。

 

例えば、A社との取引高が現在150万円で、1年前(過去)が100万円であれば、現在と過去の差は150万円-100万円=50万円となり、過去の値に占める構成比率は(50万円÷100万円)×100=50%となる。

 

この50%が成長率になり、1年前(過去)の取引高100万円に50%をかけると、過去から現在にかけて増加した50万円という成長金額が明らかになる。

 

このように成長率は簡単に計算することができ、様々な項目の成長率を計算することで、その企業の成長実態を明らかにすることができる。

 

 

売上成長率の計算方法

 

売上成長率の計算方法について、詳しく解説する。

 

売上成長率の計算式は、以下公式で求めることができる。

 

■単年成長率の場合:売上成長率=〔(当期売上高-前期売上高)÷前期売上高〕×100

 

例えば、当期売上高が20億円で、前期売上高が15億円だった場合は、〔(20億円-15億円)÷15億円〕×100=33.33%が売上成長率になる。

 

売上成長率は、顧客支持率の伸びを表す指標でもあるので、成長を後押しする事業活動を適宜最適化するためにも、定期的にモニタリングすることをお薦めする。

 

【関連記事】売上高成長率の計算方法と適正水準

 

 

利益成長率の計算方法

 

利益成長率の計算方法について、詳しく解説する。

 

利益成長率の計算式は、以下公式で求めることができる。

 

■単年成長率の場合:利益高成長率=〔(当期営業利益高-前期営業利益高)÷前期営業利益高〕×100

 

例えば、当期営業利益高が2億円で、前期営業利益高が1億円だった場合は、〔(2億円-1億円)÷1億円〕×100=100%が利益成長率になる。

 

利益成長率は、営業利益の他にも、売上総利益、経常利益、当期純利益等の利益指標を用いて計算すると、利益の成長実態がより明らかになる。

 

売上総利益は競争力を示し、経常利益は営業外の収益力を示し、当期純利益は事業活動・投資活動・財務活動を網羅した総合的な収益力を示す。つまり、様々な利益指標から成長率を分析することで会社の強みと弱みが明らかになるのだ。

 

企業成長率の計算方法

 

企業成長率の計算方法について、詳しく解説する。

 

企業成長率は、企業存続を左右する重要指標である「売上・利益・現金」の成長率を計算することで求めることができる。

 

売上・利益の成長率の計算式については前章で解説した通りになり、現金成長率の計算式は以下公式で求めることができる。

 

■単年成長率の場合:現金成長率=〔(当期現金残高-前期現金残高)÷前期現金残高〕×100

 

例えば、当期現金残高が5億円で、前期現金残高が4億円だった場合は、〔(5億円-4億円)÷4億円〕×100=25%が現金成長率になる。

 

売上が伸びている一方で利益が減少している、或いは、利益が増えている一方で現金が減少している状況はよくある事だ。企業成長率は、そうした衰退リスクを明らかにするうえでも有効だ。

 

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人時生産性成長率の計算方法

 

人時生産性成長率の計算方法について、詳しく解説する。

 

人時生産性成長率の計算式は、以下公式で求めることができる。

 

■人時生産性=営業利益金額÷全従業員の総労働時間

 

単年成長率の場合:人時生産性成長率=〔(当期人時生産性-前期人時生産性)÷前期人時生産性〕×100

 

例えば、当期人時生産性が1,200円で、前期人時生産性が1,000円だった場合は、〔(1,200円-1,000円)÷1,000円〕×100=20%が人時生産性成長率になる。

 

人時生産性成長率は、営業利益の他にも、売上、売上総利益、経常利益、当期純利益等の各収益指標を用いて計算すると、生産性の成長実態がより明らかになる。

 

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