経営指標とは|経営分析・経営判断の指標例まで徹底解説

経営指標とは|経営分析から経営判断の指標例まで徹底解説

 

経営指標とは、財務諸表等の数値を有益な情報に変換し、経営改善のベンチマークになり得る指標のことだ。

 

経営指標は、安定経営の必須ツールといって過言ではなく、経営指標の活用度合いが大きいほど、経営改善の精度が高まり、業績改善のスピードが加速する。

 

この記事では、経営指標の基本概要、並びに、経営分析・経営判断の指標例について、詳しく解説する。

 

 

経営指標とは

 

経営指標とは、財務諸表等の数値を有益な情報に変換し、経営改善のベンチマークになり得る指標のことだ。

 

経営指標を活用すると、現状と目標の乖離が明快になるので、経営改善の精度が高まり、効率的かつ効果的に業績改善を推進することができる。

 

財務諸表に記載されている数字は紛れもない事実の羅列ではあるが、何ら手を加えていない財務諸表等の数字を眺めていても、会社の経営課題は明らかにならない。

 

経営指標を活用すると、会社の成長性、収益性、生産性、安全性など等、様々な角度から経営課題を明らかにすることができる。

 

経営課題と共に、現状と目標も明快になるので、業績改善のスピードも一段と加速する。

 

 

経営分析・経営判断の指標例

 

中小企業の経営に役立つ経営分析・経営判断の指標例を紹介する。

 

経営指標の分析や判定は、原則、四則演算(加減乗除・+-×÷)の世界なので、簿記や会計の知識ゼロでも簡単にできる。

 

また、経営指標の分析や判定は、会社の活きた数字を使うので、日常的に運用することで経営者の数字力が高まる。成長性、収益性、生産性、安全性、企業力の経営分析と経営判断の指標例を紹介するので是非活用してほしい。

 

成長性分析に用いる経営指標

会社の成長性分析に用いる経営指標は「売上高成長率」がお薦めだ。売上高成長率とは、前年の売上に比べてどの程度売り上げが成長したかを示す経営指標で、会社の成長性(市場規模等)を明快に表す。計算式は下記の通りで、プラス5%以上が優良水準になる。

 

計算式【売上高成長率=〔(当期売上高-前期売上高)÷前期売上高〕×100】

 

収益性分析に用いる経営指標

会社の収益性分析に用いる経営指標は「売上総利益高営業利益率」がお薦めだ。売上総利益高営業利益率とは、会社の本業の利益水準(儲け)を示す経営指標で、会社の収益性(商品力・競争力等)を明快に表す。計算式は下記の通りで、プラス10%以上が優良水準になる。

 

計算式【売上総利益高営業利益率=(営業利益÷売上総利益高)×100】

 

生産性分析に用いる経営指標

会社の生産性分析に用いる経営指標は「人時生産性」がお薦めだ。人時生産性とは、労働の投下に対する時間当たりの生産性を示す経営指標で、会社の生産性(労働効率・経費効率等)を明快に表す。計算式は下記の通りで、常に増加が優良水準になる。

 

計算式【人時生産性=営業利益金額÷総労働時間】

 

安全性分析に用いる経営指標

会社の安全性分析に用いる経営指標は「自己資本比率」がお薦めだ。自己資本比率とは、会社の総資本に占める自己資本の構成比率を示す経営指標で、会社の安全性(支払能力・資本力・体力等)を明快に表す。計算式は下記の通りで、プラス40%以上が優良水準になる。

 

計算式【自己資本比率=〔自己資本(純資産)÷総資本〕×100】

 

企業力分析に用いる経営指標

会社の企業力分析に用いる経営指標は「売上高成長率・売上総利益高営業利益率・人時生産性・自己資本比率」に加えて、「売上総利益率」、「営業利益成長率」、「労働分配率」、「当座比率」等々の経営指標の分析を併用すると明快になる。それぞれの計算式と適正水準は「中小企業の経営指標と経営分析手法」のカテゴリーで解説しているので参考にしてほしい。

 

伊藤のワンポイント
 

経営指標は安定経営の必須ツールです。経営指標の活用度合いが大きいほど業績改善のスピードが加速します。また、衰退の予兆を先手先手で捉えることもできます。経営指標の分析と運用は簡単です。経営指標を活用した経営分析を継続するほど、安定経営が盤石になりますので、どんどん活用して下さい。