視点を変えると未来が変わる|リフレーミングの実践例

 

普段何気なく見ている視点は、じつは未来に大きな影響を及ぼしている。

 

人は、自分の視点の範囲内の情報を元に決断を繰り返し、未来を形作るからだ。

 

この記事では、未来を変える3つの視点とリフレーミングの実践例について、詳しく解説する。

 

 

他人の視点|リフレーミング例1

 

他人の視点で、自分にアドバイスする。

 

人は、自分のことになると、臆病な安定志向になる。今の環境を壊したくない、今あるものを守りたい、余計な苦労をしたくない等の防衛本能が働くからだ。

 

自分の安定を守るために自分の行動を抑制し、不安定さを排除することは大事なことだが、不安定さを排除し続けても、人生は面白くはならない。ビジネスの発展もそこで止まってしまう。

 

他人の視点を入れると、行動の幅は広がる。例えば、「やってみたいけど、今は止めておくか。」という発想も、他人事であれば「やりたいなら、今すぐやりなよ。」という発想に変わるものだ。

 

他人の視点が入ると、不安定さへの恐れが消え、何をすれば後悔しないのかがよく分かる。決断に迷った時ほど、他人の視点で自分にアドバイスすることをお薦めする。きっと、後悔のない決断が増えて、未来がどんどん豊かになるはずだ。

 

 

得失の視点|リフレーミング例2

 

得失の視点から決断する。

 

すべての売上を失う危機に直面した場合、「売上の30%が救えるプラン」と「すべての売上が救える確率は30%だが、すべての売上を失う確率は70%のプラン」があった場合、殆どの経営者は前者のプランを選択する。

 

逆に、「売上の70%を失うプラン」と「すべての売上を失う確率は70%だが、すべての売上が救える確率は30%のプラン」があった場合、殆どの経営者は後者を選択する。

 

このように、「得るもの」か「失うもの」か、話の順番によって、決断は変わるものだ。

 

「得るもの」にフォーカスを当てると、リスクのある選択を避ける傾向が強くなる。「失うもの」にフォーカスを当てると、損失を回避するために、多少のリスクを取る傾向が強くなる。どちらが正解というのはないが、一番大切にしてほしいのは、自分の本心だ。

 

これまでの苦労や仕事への誇りが無駄になるのであれば、多少のリスクをとってでも、売上を失う決断をするのもアリだろうし、過去を捨てて、規模を縮小し、再出発する決断もアリだろう。危機に面した時は、その時、一番大切にしている本心を見極め、得失の両面から決断を下すことが肝要だ。

 

 

コンフォートゾーン|リフレーミング例3

 

組織のコンフォートゾーンを未来に向ける。

 

コンフォートゾーンとは、快適な空間という意味だ。新しいことを始める時、面倒なことが起きた時、現状を改善する必要性が生じた時、殆どの人のコンフォートゾーンは過去と現在に向く。

 

前もできなかった、今は忙しいからできない、どうしてこうなったのか、なぜこんなことをやるのか、などの反応は典型だが、過去や現在に留まることに快適さを求めると、より良い未来を創るために「今何をすべきか」、「どうすれば解決に向かうのか」という思考や行動が完全に停止する。

 

組織の思考を未来へシフトさせるには、コンフォートゾーンを未来に向ける必要がある。

 

例えば、これをやれば今よりずっと成績が良くなる、これを解決すれば今よりずっと働きやすくなる、今よりも給料が安定する、報酬が上がる等、今よりも未来が良くなると思わせれば、組織のコンフォートゾーンは未来に向く。新しい未来を創るための行動が活発になり、前に向かう推進力が高まる。当然、企業の永続性も向上する。