市場競争に勝つためのマーケティング活動は企業存続の絶対条件といえる。
なぜなら、競争に敗れると、即、市場から退場せざる得なくなり、会社経営が先細りになるからだ。
この記事では、市場競争に勝つマーケティング戦略(競争地位別戦略)について、詳しく解説する。
市場競争に勝つには、自分の会社が市場のどの競争地位に属しているのかを正しく認識する必要がある。
なぜなら、市場での競争地位が曖昧になるほど、展開するマーケティング戦略そのものが曖昧になり、市場シェアの拡大が困難になるからだ。
自分の立ち位置が分からなければ、ライバルとの距離感も掴めず、やるべき事も分からずじまいになる。
場合によっては、マーケティング戦略を誤り、会社が衰退することもあり得る。
つまり、自分の会社の市場での競争地位を明快にすることが、市場競争に勝つマーケティング戦略の最初の一歩になるのだ。
市場における競争地位は次の4つのポジショニングに分類できる。
リーダー・チャレンジャー・フォロワー・ニッチャーの4つの競争地位である。
リーダーとは、競争に勝ち続け、市場シェアトップをキープしている会社である。
チャレンジャーとは、市場シェア二番手の会社として、リーダーとの競争を熾烈に繰り広げている会社である。
フォロワーとは、市場シェア三番手以下の会社で、リーダーやチャレンジャー企業を追走している会社である。
ニッチャーとは、小さな市場でトップシェアを誇る会社である。特定商品・特定顧客・特定エリア等でナンバーワンを誇る会社が典型になる。
ちなみに、この競争地位を分類するマーケティング戦略は、フィリップ・コトラーが提唱した「地位別戦略」である。コトラーはこの4つの競争地位を明確にしたうえでマーケティング戦略を展開することが重要だと主張している。
中小企業が市場競争に勝つためのマーケティングに役立つ基本戦略なので、積極的に活用することをお薦めする。
中小企業が市場競争に勝つマーケティング戦略を成功させるには、ポジショニングが肝になる。
ポジショニングは、前章で解説した競争地位の「リーダー・チャレンジャー・フォロワー・ニッチャー」の4つの何れかを選ぶことが基本になる。
この競争地位は、マーケットの規模を、世界、アジア、日本、特定地域といった要領で、エリアを絞ると分かり易くなる。
特に、中小企業の場合は、特定地域に絞り込んで競争地位を分類(細分化)した方が、その後のマーケティング戦略が明快になる。
また、特定地域は、特定の顧客層、或いは、特定の販売網に変換してもよい。
例えば、特定エリア(地域・顧客層・販売網等)で、市場シェア1位をキープしている中小企業は意外と多いが、このケースは「リーダー」という競争地位でマーケティング戦略を展開すると、市場競争に勝つことが容易になる。
最後に、地位別(ポジショニング別)の競争に勝つマーケティング戦略について、詳しく解説する。
リーダーのマーケティング戦略のポイントは、二番手以下の会社が出してくる商品やサービスを徹底的に取り込む同質化を積極展開し、市場シェア1位をキープすることである。
市場シェア二番手のチャレンジャーのマーケティング戦略のポイントは、リーダー企業を攻撃しつつ、フォロワー企業のシェアを徹底的に奪い取る戦略展開にある。市場シェア1位と3位以下を常に監視しつつ、綿密なマーケティング戦略を展開することが成功の秘訣になる。
市場シェア三番手のフォロワーのマーケティング戦略のポイントは、小さな市場でトップシェアを誇るニッチャーへの転換である。なぜなら、フォロワーのマーケティング戦略は報われないことが多いからだ。多くの経営者が口を揃えて、市場シェア1位か2位以外は意味がないと言っている理由はココにある。
小さな市場でトップシェアを築いているニッチャーのマーケティング戦略のポイントは、他社が真似できない、或いは、簡単に同質化されない商品やサービスの提供にある。また、競争が激化していないニッチ市場をいち早く抑えるマーケティング展開も欠かせない。加えて、顧客、品質、価格、サービスの何れかの専門性を高める努力も不可欠だ。ニッチャーの地位別戦略は中小企業に最も適したマーケティング戦略といえる。
マーケティングは会社経営の肝といっても過言ではありません。市場拡大(顧客創造)がとん挫すると会社が衰退するからです。中小企業が競争に勝ち市場シェアを拡大するには、リーダーかニッチャーの競争地位を確立し、その競争地位に適したマーケティング戦略を展開することが正攻法になります。