中小企業にとって、ブランド力という無形資産ほど、事業拡大に役立つ資源はない。
なぜなら、強いブランド力を持っていれば、たとえ競合他社より商品やサービスの質が多少劣っていたとしても、一定の競争力をキープすることができるからだ。
この記事では、強いブランドを作る中小企業に適したマーケティング戦略について、詳しく解説する。
ブランドを作る戦略展開は、商品が効率的に売れる環境を整える戦略展開の総称であるマーケティングの範疇に入る。
ブランドマーケティングは、マーケティングのなかでも会社の盛衰を大きく左右する重要戦略なので、基本戦略をしっかり抑える必要がある。
例えば、強いブランド力を持っていれば、たとえ競合他社より商品やサービスの質が多少劣っていたとしても、一定の競争力をキープすることができる。
つまり、中小企業にとって、ブランド力という無形資産ほど、マーケティング(販売拡大)に役立つ資源はないのだ。
ブランドマーケティングは、カテゴリー(ターゲット)の焦点をひとつに絞って、ブランド力を構築する手法が基本戦略になる。
例えば、餃子専門店の餃子と、ラーメン屋のサイドメニューの餃子のふたつがあった場合、顧客が食べたいと思う餃子、つまり、ブランド力が高い餃子はどちらか?
答えは言うまでもないが、前者の餃子専門店の餃子である。この他にも、焼き鳥屋、おでん屋、焼き肉屋のように、カテゴリーの焦点をひとつに絞ったブランド構築が、強いブランドを作るブランドマーケティングの基本戦略になる。
参考まで、誤ったブランドマーケティングの戦略展開の例も紹介するが、カテゴリー、或いは、ターゲットの焦点がぼやけると、簡単にブランド力が低下する。
例えば、餃子専門店が、ラーメン、焼き鳥、おでん、焼き肉などのサイドメニューを増やすほど、ブランド力は加速度的に低下する。
商品を増やすことは短期的には売上増加の効果があるかも知れないが、ブランド力低下という副作用を招き、長期的な効果は見るも無残な結果になることが多い。
ブランドマーケティングは、カテゴリーの焦点をひとつに絞ったブランド構築が成功の秘訣なのだ。
中小企業に適したブランドマーケティングは、基本戦略の推進にある。
例えば、ラーメン店であれば、みそ、しょうゆ、しお、とんこつ、つけ麺とブランドカテゴリーと顧客ターゲットを増やすのではなく、みそラーメン専門店というように、カテゴリーの焦点をひとつに絞るブランドマーケティングが、強いブランドを作る秘訣になる。
そして、ブランドカテゴリーをひとつに絞った後は、ターゲット顧客層に対してブランド価値を表すひとつのメッセージを送り続けること、さらには、そのメッセージの質を高める企業努力の継続が欠かせない。
ひとつのブランドカテゴリーでうまく戦略展開ができない場合は、確実にライバルに勝てるカテゴリーを新しく作る手もあるが、ブランド価値をターゲット顧客層に浸透させるには、それ相応の時間を要するので、焦りは禁物だ。
なお、ブランドカテゴリーの焦点がひとつに絞られると、事業効率が著しく上がるので、ブランドマーケティングの基本戦略は一石二鳥の効果がある。
先の例でいうと、ラーメンの種類が多いとオペレーションの手間がかかるが、みそラーメン専門店にするとオペレーションの手間が減り、加えて、みそラーメンの質を高めることに集中できるので、ブランド価値の構築スピードが格段に上がる。
ブランドは、どんな会社であってもマーケティング次第で再構築することができる。ブランド構築に悩みを抱えている経営者は、一度、会社のブランド力を点検することをお薦めする。
ブランドマーケティングの本質は、本業を明快にすることに尽きます。本業が明快なほど新しい顧客に恵まれます。更に、事業活動のムダとムラが無くなり、生産性の高い企業体質になります。地に足の着いた経営が定着し、益々経営が安定します。逆に、本業が曖昧になるほど、客が離脱し、会社経営がガタガタになります。