値上げは会社の盛衰を決定づける重要な仕事になる。
なぜなら、一定の収益を確保するための値上げが出来なければ、収益が先細り、時の経過と共に会社が衰退するからだ。
この記事では、値上げに成功する方法、並びに、説得力を高める値上げの時期・理由・根拠等について、詳しく解説する。
値上げに成功する時期について、詳しく解説する。
値上げに成功する時期(タイミング)は、周囲の環境と値上げまでの猶予期間が肝になる。
周囲の環境とは、言うまでもなく、値上げ機運が高まっている情勢のことで、経済事情から多くの企業が値上げを積極化している時期は、値上げに成功し易い。
こうした情勢を見逃すと、値上げの提案がし辛くなるだけでなく、値上げの正当性も否定され易くなるので、値上げの難易度が数段上がる。値上げ情勢が整った時期を逃さないことが値上げを成功に導く秘訣になる。
値上げまでの猶予期間も重要だ。例えば、提案後一月後に値上げする等、値上げまでの猶予期間が短いほど、相手の反発が大きくなるので値上げの成功率が著しく下がる。
値上げは、提案後3~6ヶ月の猶予を与えるのがマナーで、相手に対して一定の猶予期間を与えるほど、相手も対策を打てるので、値上げが成功し易くなる。
つまり、値上げの適切なタイミングを掴むには、最低でも半年先の経済情勢を読んだ会社経営を日々実践しなければならないのだ。
値上げに成功する理由と根拠について、詳しく解説する。
値上げの理由は、仮定の話ではなく、事実を具体的に積み重ねると、相手に受け入れやすくなる。
例えば、材料コストが上がった為だけでなく、コスト上昇の背景、コスト上昇の時期、前回値上げ時からの上昇率、一時的ではなく恒久的に上がること等、事実を具体的に積み重ねることが大切だ。
また、値上げすることで品質がキープできる、値上げすることで設備の陳腐化が防げる、値上げすることで製造事故が防止できる、値上げすることで採算割れが改善される、値上げすることで供給ルートの安定化が図れるなど、
値上げする理由を補強する根拠についても、様々な角度から事実を積み重ねることが大切だ。
こうした事実は視野を広めるほど沢山発掘できる。そして、値上げの理由と根拠を支える具体的事実が多いほど、値上げの成功率が上がる。
値上げの説得力を高める方法について、詳しく解説する。
値上げの説得力を高めるポイントは3つある。企業努力・従前価格の条件・競合との差別化である。
企業努力は値上げの説得力を高める絶対条件と言える。コスト削減や拠点の統廃合など、こちらが身を切る覚悟を示せば、相手の値上げに対する感情は相当和らぐ。
従前価格(値上げ前の価格)の受注条件を示すことも値上げの説得力を高める効果がある。
例えば、1個100円から120円に値上がりした商品の納品ロットを、従前の10個から100個に増やすことで値上げ前の100円で納品できる等の条件を示す方法は典型になる。
競合との差別化も値上げの説得力を高めるうえで欠かせない。なぜなら、最終的にはライバルの出方を見ながら値上げを決定することになるからだ。
特に、ライバルが値上げしない中で値上げを成功させるには、ライバルとの差別化ポイント(強み)が絶対必要になる。
値上げの説得力を高める差別化ポイントは一朝一夕では生み出せないので、日頃の経営姿勢が重要になる。
しっかり強みを磨き尽くせば、値上げに翻弄されないオンリーワン企業に生まれ変わるので、日頃から定着させることをお薦めする。