社員が会社を辞める本当の理由|辞める理由が分かれば社員の力を最大化できる

社員が会社を辞める本当の理由

 

社員が会社を辞める理由が何であるか、考えたことがあるだろうか?

 

社員が会社を辞める動機はより良い環境を求めるところにあるので、社員が会社を辞める根本的な理由を突き詰めて考えると「先行きの不安」ということになる。

 

従って、社員が抱いている先行きの不安を解消することなく放置していると、いつしか社員の離職願望が大きくなり、会社を辞める事態を招いてしまう。

 

社員が辞める根本理由である先行きの不安は、大きく二つある。

 

ひとつは、会社の成長に対する先行きの不安、もう一つは社員自身の成長に対する先行きの不安である。

 

ここで重要なのは、社員の能力やスキルによって、会社を辞める理由が変わることだ。

 

例えば、有能な社員は、会社の成長に対する先行きの不安を少しでも感じると、新天地を求めて会社を辞める。

 

この場合、社員が辞める理由が会社の業績にあるので、防御策は健全経営を実現することに尽きる。

 

一方、新入社員や若手社員などは、会社の業績がどうであれ、自分自身の成長に対する先行きの不安が大きくなると、新天地を求めて会社を辞める。

 

例えば、会社にいても更なる成長が見込めない、或いは、同世代に比べて成長が遅れるのではないか、といった先行きの不安は、会社を辞める理由になり得る。

 

この場合、社員が辞める理由が社員自身にあるので、社員の成長不安を解消することで離職を防ぐことができる。

 

 

社員の不安を解消して離職を防ぐには?

 

社員の不安を解消して離職を防ぐ方法はふたつある。

 

ひとつは健全経営を実現すること、もう一つは、人材育成をしっかり行うことである。

 

社員が辞める根本理由である会社の業績不安と社員自身の成長不安を解消するには、健全経営を実現し、なお且つ、社員の明るい将来像を具体化する人材育成の推進が欠かせない。

 

特に中小企業にとっては、新入社員や若手社員が将来を担う貴重な人材になるので、離職を防ぐ人材育成の推進は重要だ。

 

例えば、同世代に比べてこれだけの経験が出来て、このような段階を経て社会で広く通用する人材になれる、という明確な人材育成方針を伝えるだけでも、漠然とした先行きの不安を解消することができる。

 

さらに、課長、部長、役員、社長という階層毎に、理想のモデル社員がいれば、なおさら効果的だ。(中小企業であれば社長や役員といった幹部社員がモデル社員であっても良い)

 

なお、効果的な人材育成手法については当サイト内の「強い組織を作り上げる実践ノウハウ」のカテゴリーで詳しく解説しているので参考にしてほしい。

 

人材育成をしっかり推進すると、社員自身の成長不安が払しょくされて、会社を辞める理由がなくなっていく。

 

また、社員が辞めることなく会社に貢献するほど、組織力向上と共に業績が一段と伸びるので、人材育成には一石二鳥の効果がある。

 

社員が辞める理由である先行きの不安を見逃していないか否か、一度、点検してみてほしい。

 

伊藤のワンポイント
 

社員が辞める理由として二つの不安を挙げましたが、これらの不安をキャッチするには日頃からコミュニケーションをとることが大切です。充実したコミュニケーションは、社員の不安を解消する環境作りに役立ちます。逆に、社員とのコミュニケーションが不足すると、必ず社員の不安を見落とし、離職率を高めます。