人材育成において、数値目標の運用は不可欠だ。
なぜなら、数値目標があれば、育つ側(社員)、育てる側(会社)、双方の人材育成活動の効率が飛躍的に上がるからだ。
例えば、育つ側である社員の目標を数値化すると、目標達成までの道のりとゴールが明確になるので、社員は、目標に向かって効率よく活動することができる。
一方、育てる側である会社としても、目標が数値化されていれば目標達成に向けて社員を上手にフォロー(育成・教育・誘導)することができ、尚且つ、客観的基準で社員を公平に評価することができる。
より効率的かつ効果的に目標を達成できるだけでなく、曖昧な人事評価がもとで起こり得る不平不満を防ぐことができるので、数値目標の運用効果は極めて大きい。
当然ながら、目標が数値化されていなければ、人材育成は非効率に陥る。
社員は行き当たりバッタリの行動に陥り、能力開発が不十分になるし、会社としても社員を客観的に評価することが難しくなる。
場合によっては、数値化されていない曖昧な目標が原因で、組織力が低下することもあり得る。
人材育成に効果的で、なお且つ、効率的に業績を改善する目標を運用するには、「昨年よりも年間売上を上げる」という漠然とした目標ではなく、
「昨年よりも年間売上を1,000万円上げる、しかも、販促経費は100万円に抑えて、4月末日までに達成する」という具体的数値目標を掲げた目標が不可欠なのだ。
効果的な数値目標は、数値と期日が明確になっている目標であり、数値が具体的であるほど、目標達成までの道のりとゴールが分かり易くなる。
つまり、具体的な数値目標は、目標達成(成功体験)までのプロセスを明快にし、人材育成の成長スピードを加速させる効果があるのだ。
中小企業における効果的な人材育成の方法は簡単だ。
数値目標を掲げたうえで、経営者が社員の活動を徹底的にフォローすると、人材育成の成長スピードが加速する。
例えば、社員のPDCA活動に経営者が寄り添って、社員の行動(Do)以外の、計画(Plan)、検証(Check)、改善(Action)のPCA部分を積極的にフォローすると、社員の活動の質がみるみる上がり、効率的に目標を達成することができる。
経営者のフォローが難しければ、会社として社員のPDCA活動をフォローする体制を構築する方法でも構わない。
社員の活動に経営者が積極的に関わると、社員はどう行動すれば評価されるのかが明快になるので、行動に迷いがなくなり、成長スピードが加速する。
会社としても社員の能力不足を的確に捉えて教育することができ、尚且つ、客観的視点で社員を評価できるので、ストレスフリーな人材育成の仕組みが整ってくる。
具体的数値目標を運用し、なお且つ、社員のPDCA活動をフォローする体制が盤石になると、社員の成長と業績改善のスピードが一段と加速する。
人材育成の数値目標は具体的になるほど効果が上がります。社員の動きが明快になり、会社側の人材育成効率も上がります。但し、数値目標の達成度合いを人事評価の絶対基準にしないでください。数値目標は人材育成を効率化するサポートツール、なお且つ、評価基準の一部として活用するのがお薦めです。