できる社員の育て方は、社員の自主性と責任感の双方を育てることがポイントになる。
なぜなら、社員の自主性と責任感を育てないと、自らの考えで行動することができない「指示待ち社員」という残念な結果が待っているからだ。
社員の自主性の育て方は、難しくない。
お伺いを立てるときに「必ず自分の意見を述べること」を習慣化するだけで、社員の自主性が高まり、自然とできる社員に育つ。
例えば、「これは、どうしたら良いですか?」という聞き方はNGになる。
できる社員を育てるには、「これを、このようにしたいのですが、宜しいですか?」というように、常に自分の意見を述べる習慣を徹底させることが大切だ。
経営者が率先して社員の意見を先に聞くことを意識すると、段々、社員側も自分の意見を述べることに抵抗感がなくなり、徐々に自主性が高まっていく。
そして、社員の自主性が立派に育つと、事に当たるたびに「自分ならどうするだろうか?」或いは「自分ならこうする」というように、常に自分の意見を考えることができる、思考力の高いできる社員に育つ。
中小企業のなかには、社員の仕事に対して、事細かく指示命令している経営者がいるが、これでは社員の自主性が育つことも、できる社員が育つこともない。
経営者自身が聞く耳を持って社員の自主性を引き出すことが、できる社員を育てる秘訣なのだ。
社員の責任感の育て方は、数字と期日の徹底にある。
なぜなら、数字と期日が欠落した目標では、目標達成のための行動が非効率、かつ無責任なものになるからだ。
例えば、「営業回数を増やして売上を伸ばしたいと思うのですが、宜しいですか?」という聞き方はNGになる。
できる社員を育てるには、「〇月〇日から営業回数を2倍に増やして、〇月〇日までに売上を〇〇〇万円に増やしたいのですが、宜しいですか?」というように、数字と期日を徹底させることが大切だ。
数字と期日があれば、社員は嫌でも目標を意識せざる得ないので、目標達成の行動が効率的になり、かつ目標に対する責任感も高まる。
また、経営情報を開示することも、社員の責任感を育てるのに有効だ。
例えば、売上から利益に至るまでの会社の数字の開示は、できる社員を育てるうえでの絶対条件になる。
なぜなら、会社の数字の理解なくして、数字に対する意識も責任感も高まらないからだ。
会社の数字の理解度が深まれば、間違いなく数字に責任を持つ、できる社員が育つ。逆に、会社の数字の理解度が浅ければ、利益意識やコスト意識が欠落した責任感のない社員になり易くなる。
数字と期日を強く意識し、なお且つ、利益やコスト意識の高いできる社員を育てるには、経営情報を開示することが大切だ。