元気なシニア社員は増える一方なので、シニア社員の活用が組織力を決定づけると言っても過言ではない。
しかし、長年出世していないシニア社員、或いは、管理職から降格したシニア社員の中にはモチベーションが低い社員もおり、中には会社の足を引っぱるシニア社員も少なくない。
この記事では、シニア社員のモチベーションを上げる方法について、詳しく解説する。
普通の中小企業は、シニア社員になるほど昇進のチャンスが減り、報酬も減少傾向になる。
こうした労働環境に置かれると、次第に、会社から必要とされている感がなくなり、如何に有能なシニア社員であっても、高いモチベーションを持続するのが困難になる。
また、如何に有能なシニア社員であっても、役職定年などで後進にポストを譲った時期を境に、徐々にモチベーションが下がることがある。
シニア社員のモチベーションが下がると、会社全体の組織力が低下し業績に影響を与える。
さらに、モチベーションが低下したシニア社員が元上司として職場に配属されると、その職場の若手管理職や一般社員のモチベーションにも悪い影響を与えてしまう。
40代、50代を通過して定年まで一定のモチベーションを保つには、シニア社員に対して公平な評価制度を定着させる必要がある。
例えば、長年出世から遠ざかっているシニア社員、或いは、役職者から降格したシニア社員のモチベーションを上げるために、能力に応じたインセンティブ報酬の仕組みや会社が必要としていることを明快に伝える社員教育等は有効な策になる。
与えるポストがなく、十分な報酬も約束できないシニア社員のモチベーションを上げる方法論について、それぞれ詳しく解説する。
シニア社員のモチベーションを上げる方法として、インセンティブ報酬を約束するマイスター制度の導入がある。マイスター認定は通常の人事評価基準に加えて、専門性・指導力・信頼度など等の明確な基準に基づく必要があるが、この制度を導入すると、肩書がないシニア社員に対して公平な評価の機会を約束することができる。更に、マイスターのレベルを数段階に分けると、定年までの報酬インセンティブが与えられるだけでなく、働く誇りやモチベーションを上げる動機づけになる。
シニア社員のモチベーションを上げる教育姿勢は、肩書がなくても会社が必要としていることを明快に伝えることが第一になる。例えば、管理職の素養がないシニア社員向けの専門性を磨く研修や管理職から降格したシニア社員向けのマインド向上研修等はモチベーションを上げる動機づけになる。
シニア社員は会社の宝だ。
なぜなら、多くの社員が定年を迎えるまで高いモチベーションを持続できれば、マンパワーが最大化されるからだ。
会社が社員の成長を後押しし、成長したシニア社員が会社に知的財産を還元して定年を迎える組織構造が確立されればマンパワーが最大化される仕組みが定着し、時間の経過と共に組織力と業績が上向く。
さらに、団結力、機動力、開発力、発明力、愛社精神、知的財産など等、一朝一夕では確立できない有形無形の経営資源も盤石になる。