後継者になるうえで極めて重要な成功条件は「覚悟を決める」ことだ。
後継者なる覚悟を決めた瞬間から、その後の言動が変わり、社長の座を大きく引き寄せるからだ。
例えば、後継者になる覚悟を決めれば、後継者として指名を受けるために、社内の誰よりも真剣に仕事と向き合い、成功からも失敗からも謙虚に学ぶようになる。
社長と血縁関係にあり、後継者になることが既定路線だったとしても、後継者として将来社長になる覚悟を決めれば、謙虚、かつ、真剣に自己研鑽に励むようになる。
当然、後継者になる覚悟を決めた後の成長スピードは恐ろしく早く、周囲の社員や関係者のみならず、社長からの信頼も日を追うごとに厚くなる。後継者になる覚悟が、社長の座を確実に引き寄せるのだ。
後継者になる覚悟がないと、すべての結果が逆になる。
仕事の真剣みが足りない、成功からも失敗からも学びを得ない、謙虚さよりも横柄で傲慢な態度が目立つ、社員や社長への甘えが拭えない等は典型で、周囲からの信頼も失う一方になる。
後継者になる覚悟のなさが、日々の仕事や能力研鑽の精度を下げ、結果、時の経過と共に社長の座は遠のき、後継者になれる可能性が潰えてしまうのだ。
後継者として、そして、その後の社長業で成功したかったら、誰よりも早く覚悟を決めることだ。そうすれば、成功は向こうからやってくる。
社長と後継者の違いは、決断を下す裁量があるか否かと、結果責任をすべて背負うか否か、の二つが大きい。
この決断と結果責任から逃れられる期間、つまり、社長になる前の期間にどれだけ自分の能力を研鑽し、周囲との信頼関係を築けるかによって、その後の成功が大きく変わる。
社長になった後は、落ち着いて勉強する時間を取ることが難しくなる。社長になる前にいかに勉強するかが後継者の力量、ひいては、その後の社長業の成功を分かつのだ。
後継者の成功に欠かせない勉強のポイントは様々あるが、管理会計・問題意識・組織力強化の3つは外せない。
管理会計とは、数字の分析ツールのことで、活用するほど、事業活動のPDCA精度が高まり、業績が伸びる。成功企業の絶対条件と言って過言ではない。
問題意識とは、目の前の課題をおざなりにせず、積極的に問題解決に取り組む姿勢のことだ。今の問題と向き合うだけでなく、2-3年後はどうなるから、今これをすべきと言った問題意識も大切になる。
組織力強化は、多様な社員を見る目・活かす術と、現場の声を聴く力・活かす力が肝になり、いかにして社員の力を最大化するか、また、そのための最新の技術やテクノロジーの活用度合いが大切になる。
管理会計・問題意識・組織力強化、この3つのポイントを抑えた勉強を充実させて、勉強で習得したノウハウを実践で活かす絶対量が後継者の力量を高め、ひいては、その後の社長業の大成功を確実なものにする。