社長になるにはどうすべきかを考えている後継者、或いは、経営者になるために必要なスキルとマインドを習得したいと考えているビジネスパーソンは多いと思う。
社長になってからの成功は、社長になる前の準備で大よそ決まる。一度、社長の座に就くと、経営の勉強をする暇が殆どなくなるからだ。
この記事では、社長になるには何をすべきかと共に、経営者になるための必須スキルとマインドについて、詳しく解説する。
社長になるには、第一に起業することが必要だ。
起業の形態は、法人と個人事業主の二つあるが、何らかのアイデアを事業化し起業することが社長になるための出発点になる。
起業するには、ヒト、モノ、カネ、情報、信用等の他にも、人脈、時流、運など、目に見えない要素も成功に不可欠で、何れの要素も、相当に高い精度で計画を仕上げる必要がある。
なかでも、人脈、時流、運などの目に見えない成功要素は、日頃の行いがものをいうので、社長になりたい人は、日頃から自分の言動には気を付けておきたい。
また、社長の人間性も起業の成功を左右するので、社長になりたい人は謙虚さと感謝の気持ちを忘れず、特に、後継者の立場から社長になる人は、先代、現場、社員、顧客など等に対する感謝を忘れず、謙虚な姿勢で向き合うことが大切だ。
起業することが社長になる出発点になるが、社長になるためには、起業前の勉強が重要になる。
社長になってからの成功は、社長になる前の勉強量や事業経験で大よそ決まるからだ。社長になるために勉強すべき主なポイントについて、順を追って詳しく解説する。
社長になるためには、事業計画作りの知識が必要になる。事業計画は起業ビジネスの未来を照らすだけでなく、資金調達を助けるツールにもなる。事業計画は、ビジョンとビジネスモデル、ターゲット顧客とマーケティング戦略、損益計画と資金計画、事業化のタイムスケジュール等は必須になる。
社長になるためには、社長業の基本になる財務会計知識は必須で、後継者の場合は、先代の経営理論、現場の苦労、業界特性、商品やビジネスモデルの強みと弱み、顧客や取引先分析、社員の能力や性格分析など等、社長になる前に勉強できることは徹底的に勉強した方が良い。この段階で勉強するほど、社長業の基本スキルとマインドが習得できる。
社長になるためには起業することが不可欠になるが、起業に必要な資金の調達方法の知識はあった方が良い。資金調達の方法は、自己資金、補助金・助成金、出資金(他人資本)、クラウドファンディング、金融機関等からの借入など等、多種多様にある。起業アイデアと相性の良い資金調達方法が見つかれば、資金の悩みは自ずと軽減される。
社長になるための必須スキルは「決断力」だ。
社長の仕事は決断する事と云われるように、社長の決断の連続が事業活動の成果を決定づけるからだ。
決断力を高めるには、財務会計スキル、マネジメントスキル、コミュニケーションスキル等を高めて、決断の根幹を支える経営力を引き上げることが欠かせない。
小さい会社ほど、ひとつの決断の誤りが原因で経営危機に陥り易くなる。社長になるためには、日頃から決断の重要性を意識し、決断力を磨く努力を継続することが大切だ。
社長になるための必須マインドは「責任感」だ。
社長は、自分の責任を他人に転嫁できない唯一無二の存在なので、すべての経営責任を背負わなければならない。
当然ながら、社長が責任感のない言動に終始していると、社長自身の経営能力はもちろん、会社が大きくなることも、人財が伸びる事もない。
すべての責任を自分に帰結するマインドが、社長の経営能力と共に、社長の風格と威厳を高めてくれるのだ。
社長の責任感が弱いと、顧客の離脱や社員の離反を招きやすくなる。社長になるためには、日頃から責任感のある言動を意識することが大切だ。
社長になるには、性別、経歴、学歴等は一切関係ない。会社経営者としての必須スキルとマインドさえ習得すれば誰だって成功社長になれる。
但し、社長の必須スキルとマインドが不十分だと、そこが会社の弱点に繋がり、社長の失敗リスクが高まるので注意してほしい。
最後に、経営の専門家の立場から、成功する社長になるための条件を紹介する。自身の能力とチェック項目を照らし合わせて、自己診断してみてほしい。
仕事が好き,謙虚である,臆病である,意思が強い,お金を使うのが好き,向上心がある,モラルがある,行動力がある,人間力がある,忍耐力がある,勝負強い,運やご縁など目に見えない世界を大切にしている,情報の価値を知っている,礼節を弁えている,自分の能力を弁えている,人に任せられる度量がある,主観と客観のバランス感覚がある,起業前から経営の勉強に取り組んでいる,上場をゴールにせず、長期ビジョンを持っている
自己診断の結果は如何であったろうか?
ひとつでも欠落した項目があれば、そこが弱点となり、社長の失敗リスクを生み出しかねない。成功社長になるためには、謙虚に、真摯に、成功社長の条件を研鑽することが大切だ。