中小企業が後継者不足に陥る本当の理由|経営健全化と後継者育成がカギ

中小企業が後継者不足に陥る本当の理由|経営健全化と後継者育成がカギ

 

中小企業の約半数以上は後継者不足に陥っていると云われていて、年商1億未満の中小零細企業に至っては約八割もの会社が後継者不足に陥ってる。(帝国データバンク調べ)

 

中小企業が後継者不足に陥る理由は、事業の将来性がない、後継ぎがいない、事業承継の準備が間に合わない、など等、その理由は多岐にわたるが、後継者不足が理由で廃業する中小企業は決して少なくない。

 

この記事では、中小企業が後継者不足に陥る本当の理由について、詳しく解説する。

 

 

中小企業が後継者不足に陥る本当の理由

 

会社は、後継者がいなければ存続できない。

 

経営者不在の状態で存続の体は保つことが出来るかも知れないが、経営力が低下すると会社は簡単に衰退するので、後継者不在の状態で存続するのは現実的には無理がある。

 

中小企業が後継者不足に陥る理由は、事業の将来性がない、後継ぎがいない、事業承継の準備が間に合わない、など等、様々挙げられるが、突き詰めて考えると、「業績の低迷」と「後継者育成の失敗」の二点に行きつく。

 

健全な経営が確立されていれば後継ぎがいなくてもM&A等の事業承継で後継者候補(事業売却先)が簡単に見つかるし、事業承継したいと考える血縁者(子供等)も増えるだろう。

 

たとえ業績が低迷していたとしても、早い段階で後継者を指名し、後継者育成を成功させていれば、時代感覚にフィットした後継者に会社経営をバトンタッチし、V字回復の望みを残せるかも知れない。

 

つまり、中小企業が後継者不足に陥る本当の理由は「業績の低迷」と「後継者育成の失敗」、この二点に尽きるのだ。

 

 

後継者不足は経営健全化がカギ

 

中小企業の後継者不足を解消する手立てとして経営健全化は絶対条件になる。

 

健全な経営が確立されていれば後継ぎがいなくてもM&A等の事業承継で後継者候補(事業売却先)が簡単に見つかるし、後継ぎがいる場合は、過度なストレスを与えることなく事業承継に着手できる。

 

後継者育成に悩む中小企業にありがちな業績低迷の理由は「ビジネスモデルの破綻」と「利益水準の低迷」が多い。

 

例えば、経営者が三代も下ると、半世紀もの時間が経過することになるので、先代から事業承継したビジネスモデルが進化していないほど、事業承継するたびに業績が低迷する。

 

また、商品等の付加価値の研鑽を怠ったことが理由で、事業承継するたびに利益水準が低下する中小企業も多い。

 

時代の変化を機敏に察知し、ビジネスモデルと商品等の付加価値を絶えず研鑽する姿勢が、利益水準を高め、強いては、経営健全化の基本戦略になる。

 

 

後継者不足は後継者育成がカギ

 

中小企業の後継者不足を解消する手立てとして後継者育成の成功は絶対条件になる。

 

後継者育成に成功していれば、時代感覚にフィットした後継者に会社経営をバトンタッチすることができるし、後継者の能力が高いほど事業規模が一層拡大する。

 

後継者育成の失敗は、後継者不足に悩む中小企業の最たる理由でもあるが、後継者育成は10年かかると思って、先手先手で取り組むことが大切になる。

 

また、後継者側も、後継者として自覚したその日から徹底的に経営の勉強をすることが大切で、特に、先代の経営理論、社員、顧客、取引先、会社の数字の理解は欠かせない。そして、周囲に対する感謝と謙虚さも決して忘れてはならない。

 

後継者の経営能力不足に伴う事業承継の失敗は、過去の歴史を振り返っても分かる通り、大企業であろうと、中小企業であろうと、結果は変わらない。後継者育成が不十分な状態で、後継者に事業承継すると、比較的短期間で業績が悪化するので、くれぐれも注意してほしい。

 

伊藤のワンポイント
 

中小企業が後継者不足に陥る本当の理由は「業績の低迷」と「後継者育成の失敗」です。ですから、経営健全化か後継者育成にさえ成功すれば、後継者不足に悩むことはありません。先手先手の姿勢で、目の前のビジネスに全力を尽くすことが後継者不足を解消する確かな方法です。