経営者感覚とは|社長としての意識・目線・考え方が企業成長をけん引する

経営者感覚とは|社長としての意識・目線・考え方が企業成長をけん引する

 

経営者感覚とは、社長としてあるべき意識・目線・考え方のことである。

 

中小企業は、社長の在り方・生き方次第で事業規模や成長スピードが決まるので、社長の経営者感覚が重要な企業成長の因子になる。

 

この記事では、経営者感覚とは何か、並びに、経営者感覚の好例と悪例について、詳しく解説する。

 

 

経営者感覚とは何か?

 

経営者感覚とは、社長としてあるべき意識・目線・考え方のことである。

 

社長の経営者感覚に落ち度があると、会社の衰退リスクが高まり、大概は成長に陰りを及ぼす。

 

なぜなら、中小企業は、社長の在り方・生き方次第で事業規模や成長スピードが決まるからだ。

 

経営者感覚は、対義語になるサラリーマン感覚と比較すると分かりやすい。サラリーマン感覚とは、労働の対価として定期的に支払われる報酬(サラリー)を当然の権利として受け取る感覚のことである。

 

経営者感覚は、サラリーマン感覚とは真逆になる。例えば、会社に十分な儲けが出なければ、自身の報酬を受け取る権利を主張しないのが、経営者のあるべき感覚になる。

 

会社の成長をけん引し、更に、会社の業績責任を一身に背負う意識・目線・考え方が経営者感覚のベースであり、社長の経営者感覚が重要な企業成長の因子になる。

 

 

経営者感覚の好例と悪例

 

経営者感覚の好例と悪例について、詳しく解説する。

 

経営者感覚ケーススタディ1

会社の業績が芳しくない中で、業務を遂行するための経費を立て替えた場合、経営者感覚として正しいのはどちらだろうか?
経営者感覚の好例:会社が儲かっていなければ、立替経費を貰わない。つまり、まずは自腹を切り、会社が儲かった後に精算する
経営者感覚の悪例:会社が儲かっていようがいまいが、立替経費を貰う。つまり、会社の業績に関わらず、自腹は切らない

 

業績責任は経営者にあり、社員や取引先に転嫁できるものではない。従って、会社が儲かっていなければ自腹を切る、或いは、自身の報酬を減らしてでも社員や取引先を守る姿勢が、真っ当な経営者感覚になる。この経営者感覚がないと、人望・人財・人脈を失い、事業成功が遠のいてしまう。

 

経営者感覚ケーススタディ2

社員を労うため、或いは、現場の声を聴くために社員達と飲食を共にした場合、経営者感覚として正しいのはどちらだろうか?
経営者感覚の好例:社員の飲食代は社長の自腹で奢る、或いは、適正な範囲内で会社の経費で落とす
経営者感覚の悪例:参加者全員で割り勘にする

 

社員達を労うため、或いは、経営に役立つ現場の声を提供してくれる社員達から飲食代を貰うのは経営者感覚としては正しくない。社員の立場から見れば、給料の減額と思われかねない。社員達との飲食は気持ちよく奢る、或いは、公平な飲食会を定期化して会社の経費で落とすのが、真っ当な経営者感覚になる。この経営者感覚がないと、社員からの人望を失い、組織力が低下しやすくなる。

 

経営者感覚ケーススタディ3

社員が仕事のミスをした場合、経営者感覚として正しいのはどちらだろうか?
経営者感覚の好例:ミスした社員から原因をよく聞いて、根本原因を特定した上で、ミスを防ぐ仕組み(教育やフォロー体制等)が不十分だった事実を経営者が認め、反省と共にミスの再発防止に努める
経営者感覚の悪例:経営者が一切の非を認めず、ミスした社員を頭ごなしに叱責する

 

経営者であれば、すべて自分のせいである。会社内のミスやクレームは勿論、社員や取引先のミスも自分の責任に帰結する経営者感覚が、真の反省をもたらし、進化の原動力になる。この経営者感覚がないと、失敗が成功に転換されず、進化(進歩)のない行き当たりバッタリの会社経営が定着しやすくなる。また、社長の威厳や風格が損なわれ、人望も失い易くなる。

 

 

経営者感覚が企業成長をけん引する

 

経営者感覚を分かりやすく表現すると、会社のことを我がこととして考えるか否かということである。

 

会社のことを我がこととして、或いは、我が人生そのものと考え、会社の状況に応じて自分が犠牲になる意識・目線・考え方が、経営者感覚の根幹になるということだ。

 

会社の業績をけん引するために業績責任を一身に背負うだけでなく、常に相手の利益を優先する、顧客や社員、或いは、取引先の幸せを優先する等の姿勢も、重要な経営者感覚になる。

 

また、目の前のやるべき事に全力を尽くす一方で、客観的かつ中長期的な視点で将来の経営課題やリスクに対して先手を打つことも、企業成長に欠かせない経営者感覚になる。

 

なお、経営者感覚は社員に強制すべきものではなく、社長ひとりが持っていれば問題ない。

 

経営者感覚を持った社員がいるに越したことはないが、経営者感覚は、企業のトップである社長が持つべき絶対的感覚であり、この感覚が企業の盛衰を決定付けるといって過言ではない。