自己変革とは、何らかの問題や課題を乗り越えるために積極的に自己の生き方・在り方を変える姿勢のことである。
特に、自分の意志でコントロールできない事象が起こった時やそうした状況に追い込まれた時は、自己変革を拒絶するほどピンチに陥り、自己変革を実践するほどチャンスに恵まれる。
この記事では、自己変革の重要性、並びに、自己変革で世界を変える方法について、詳しく解説する。
わたしは元来、やたらと気が利く習性の持ち主だ。心配りと気遣いが修練される茶道をやっているので、なおさらである。
しかし、気が利くという長所は、おせっかいや押し付けという短所を生み出す。良かれと思ってやったことが原因で、家族の反発を受けることも稀にある。
自分が良いと思ったことが、すべて相手に受け入れられることはあり得ない、ということだが、長所が災いして失敗に転ずるパターンは、家庭生活だけでなく、会社経営の中でも良く起こり得る。
たとえば、社長が良かれと思ってやった事が、社員や顧客の反発を受けることなどは、誰しも経験があるのではないかと思う。
そして、社員や顧客の反発を無視し続けていくと、その長所は相手にとっては短所(ストレス)にしかならず、双方のギャップが大きくなるほど、互いの気持ちがどんどん離れていく。
それが、社員の離職、顧客の離脱を招き、会社の衰退に繋がり、行くところまで行くと、会社は倒産する。家庭においては離婚である。
こうした事態を防ぐには、自分の言動を改善するしかない。つまり、相手のストレスを解消するには、自己変革が欠かせないのだ。
自己変革は、自分の言動を改善することで得られるが、具体的には、次の3つのステップで自己変革するとよい。
まず、自分を理解すること。そして、相手を理解すること。最後に、相手に対する言動を変えることである。
決して、相手を変えてやろうなどといった、傲慢で邪まなことを思わない事が成功の秘訣になる。相手が望む言動に近づけば、自然と、相手との関係が良くなり、目の前の世界は確実に変わる。
また、自分の意志でコントロールできない事象が起こった時やそうした状況に追い込まれた時も同様に、まずは自分の状況を理解すること。そして、周囲の状況を理解すること。最後に周囲に対する行動を変えることで、ピンチをチャンスに変えることができる。
自己変革はリーダーの必須条件である。
相手の性格や特性に合わせたコミュニケーション能力や会社を取り巻く環境変化に順応する適応力などは自己変革がベースになるからだ。
また、自己変革の力が強いと、すべての責任を自己に帰結させるマインドが定着するので、プラスの事象からだけでなく、マイナスの事象からも成長の機会を見いだせるようになる。
逆に、自己変革の力が弱いと、自己中心(自分中心)、自己独善(自分独りが正しい)、自善他悪(自分が正しく相手が間違っている)に陥りやすくなり、自ずと、周囲からの信頼が低下したり、会社の成長に陰りを及ぼしたりする。
会社、社員、顧客、パートナーを変えたかったら、或いは、更なる成長を求めるのであれば、進んで自己変革することをお薦めする。特に、ストレスなんか何にもないと思っている人ほど自己変革の必要があるのかも知れない。