中小企業の経営環境はじつに厳しい。
大企業に翻弄されている中小企業、或いは、大企業の犠牲になっている中小企業も多く、更に、多くの中小企業が赤字経営に陥っていると云われている。
この記事では、中小企業の経営環境が厳しい本当の理由、並びに、中小企業が不利な環境と不安を払拭するコツについて、詳しく解説する。
中小企業の経営環境はなぜ厳しいのか?
それは、中小企業が経済の調整役として、あらゆるマイナス面を押し付けられているからだ。
例えば、大企業の利益の犠牲になっている中小企業はじつに多い。また、市場縮小や人手不足といった経済のゆがみを押し付けられている中小企業も非常に多い。
さらに、資金調達に限りのある中小企業は成長投資のスピードが大企業に比べて規模が小さく、スピードもかなり遅い。
こうした不利な経営環境もあってか、一時は業績が良くても、少しのきっかけで会社が倒産の危機に瀕する中小企業は後を絶たない。
また、約七割の中小企業が経常的に赤字経営に苦しんでいる根本原因は、このような不利な経営環境によるものと推測される。
中小企業に対する経済界の評価はじつに厳しい。
例えば、中小企業が日本経済の足を引っぱっていると指摘する経済学者や財界人は意外と多い。
しかし、経済界等の評価や指摘は、中小企業の不利な経営環境を無視した無責任な発言に感じるし、到底正しいとは思えない。
繰り返すが、中小企業は大企業や経済界から、あらゆるマイナス面を押し付けられているため、厳しい環境での会社経営を余儀なくされているからだ。
また、中小企業の経営者が無能だから会社が衰退すると思われている方も多くいるが、そんなことはない。
会社が衰退するのは、経営者に必要なスキルとマインドが十分に身に付いていないだけで、業績が低迷している会社の経営者であっても、成功のメソッドさえ分かれば難なく会社を成長軌道に乗せてしまうケースは数多く存在する。
中小企業が、不利な経営環境と不安を払拭し、独立独歩で会社経営を成功させるには、経営の必須スキルをしっかり習得・実践することが欠かせない。なかでも、管理会計と経営の思考法は、中小企業経営者の必須スキルといって過言ではない。
管理会計とは、自動車の運転メーターのようなもので、会社経営の状態を可視化するのに役立つ会計手法のことだ。会社経営は数字を見るところから始まるので、管理会計なくして会社経営の成功はない。
経営の思考法とは、未来を起点に現在を考えるバックキャスティング的思考法と、現在を起点に未来を考えるフォアキャスティング的思考法のことだ。経営者の思考は、目の前のことに捉われすぎても、遠い未来のことに捉われすぎても、うまく働かない。現在と未来をバランスよく考える思考が成功を引き寄せるのだ。
中小企業の経営環境はいつの時代も厳しいです。大切なのは、そうした現実を受け止めて、経営者の必須スキルとマインドを磨き、会社の成長基盤を整えることです。中小企業は経営者の能力で業績が決まりますので、この部分の取り組みがおざなりになると、簡単に衰退リスクが高まります。