飲食業に有効な経営指標|飲食系経営者必見の業界指標

飲食業に有効な経営指標

 

飲食業は景気や流行に左右されやすく、安定した経営を実現するのが非常に難しい業種だ。

 

健全な会社経営、並びに、効率のよい現場運営を実現するためには、財務諸表の分析に加えて飲食業特有の指標を活用して、日頃から経営課題を抽出することが欠かせない。

 

この記事では、飲食業の経営改善をすすめる上で役立つ業界特有の経営指標について、詳しく解説する。

 

 

飲食業の経営改善に役立つ経営指標

 

経営改善を進めるうえで、最も即効性のある改善方法は、現場のムダムラの解消である。

 

現場のムダムラを見つけるには、財務諸表の分析だけでは不十分である。効率的に現場のムダムラを解消するには、飲食業特有の経営指標を活用が欠かせない。

 

以下に紹介する飲食店の経営改善に役立つ経営指標を活用(分析・目標等)すると、経営改善を効率的に進めることができる。

 

原価率

原価率とは、商品の売上に占める材料費の割合のことである。例えば、材料が25円で商品の売上が100円であれば、(25÷100)×100=原価率は25%になる。

 

一般的に飲食業の原価率は20~30%が適正ラインで、飲食業にとって原価率は最も重要な経営指標といっても過言ではない。原価率の設定を誤ると衰退リスクが高まるし、店舗運営の戦略も原価率で決まる。

 

原価率はメニュー構成全体で適正ラインの範囲内に収まっていれば問題ない。例えば、店舗の集客力を高める目玉メニューは原価率を高めに、前菜やドリンク類は原価率を低めに、というようにメニュー構成全体で適正バランスをとる工夫が大切になる。

 

なお、原価率の計算は、歩留まり率(廃棄率)を加味しないと不正確になる。経営が悪化する飲食店は、例外なく原価率の計算がいい加減だ。

 

客単価

客単価とは、1客あたりの売上のことである。例えば、全体の売上が月100万円で、月の来店客数が100名であれば、100万円÷100名=客単価は1万円になる。

 

客単価は店舗の性格(コンセプト・メニュー構成)を決める経営指標でもある。例えば、高級店であれば客単価を高めに設定する必要があるし、大衆店であれば客単価を低めに抑える必要がある。

 

また、客単価は、顧客サービスの費用対効果を計る際、或いは、新規顧客獲得のための広告宣伝費の費用対効果を計る際にも活用できる。

 

顧客回転率

顧客回転率とは、定員人数(席数)の回転を表す経営指標である。例えば席数20の店舗に、1日100名の顧客が来店した場合、100名÷20席=顧客回転率は5回転になる。

 

顧客回転数が高ければ、売上原価が適正水準よりも多少高くても利益が確保しやすくなるが、顧客回転率が低ければ、売上原価が適正水準よりも低くなければ利益が確保し難くなる。顧客回転率は、飲食店のコンセプトや顧客ニーズを決定する重要な経営指標でもある。

 

来店客数

来店客数とは、来店(商品・サービス購入)したお客様の人数のことである。来店客数×客単価で、全体の売上を算出することができる。従って、全体の売上を増やすには、来店客数か客単価の何れかを上げる努力が必要になる。

 

来店客数を上げるにはサービス精神の高低がポイントになり、一期一会を大切に、良い印象を与えることができるか否かが分かれ道になる。なお、来店客数を上げるには、広告宣伝等の投資コストがかかるが、一般的には、来店客数よりも客単価を上げる投資コストの方が安く済む傾向にある。

 

廃棄率

廃棄率とは、材料の廃棄割合を示す経営指標である。例えば、1,000円分の材料のうち、100円分を廃棄処分した場合、(100÷1,000)×100=廃棄率は10%になる。

 

廃棄率を下げる工夫はさまざまある。例えば、有機無農薬の野菜は丸ごと食材として使えるが、農薬栽培の野菜は残留農薬の危険性があるので皮の部分は廃棄しなければならない。このように、使う食材ひとつで廃棄率が変わるので、食材選びは廃棄率を加味したトータルコストで考える意識が大切になる。

 

1坪売上

1坪売上とは、店舗1坪あたりの売上のことである。例えば、店舗面積が20坪で、月の売上が100万円であれば、100万円÷20坪=1坪売上は5万円になる。

 

1坪売上は、1坪スペースあたりの収益性と効率性を計る経営指標でもある。例えば、1人来店が多い飲食店が、1人掛けのカウンターテーブルを主体にレイアウトすると、1坪売上が上がる。

 

逆に、1人来店が多い飲食店が、4人掛けテーブル席を主体にレイアウトすると、1坪売上が下がる。このように、1坪売上は、来店ニーズのミスマッチを探る指標として有効活用できる。

 

 

飲食業の安定経営に役立つ経営指標

 

最後に、飲食業の安定経営に役立つ経営指標を紹介する。

 

例えば、下記の経営指標は常時モニタリングすべき指標になる。

 

経費率の水準

 

営業利益率の水準

 

人時生産性の水準

 

上記3つの経営指標の適正水準をクリアすることが、飲食業の成長を実現する最低限の条件といっても過言ではない。(それぞれの経営指標をクリックすると計算方法と適正水準が分かる)

 

各経営指標が適正水準に達していない飲食業者は、早急な経営改善をお薦めする。

 

伊藤のワンポイント

飲食業において計数管理は必須ですが、それ以上に大切なことは心のこもったサービスと美味しい料理を提供することです。家庭の食卓では味わえないサービスや料理が外食の付加価値であり、顧客の感動の源泉になるからです。また、ブランド価値を明確にして、その価値を発信・表現することも成功条件になります。

 

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