社長業の鉄則1|企業の繁栄は人財で決まる


企業の繁栄は、人財で決まる。


なぜなら、人財は、史上最強の経営資源だからだ。


お金は使えば無くなるし、情報、設備、テクノロジー等は時間の経過と共に古くなる。


一方の人財には、無限の可能性がある。才能を伸ばそうと思えば、工夫ひとつでどこまでも伸ばすことができる。


例えば、短所を直すのはものすごくエネルギーを使うが、長所を伸ばすのは簡単だ。


社員に仕事を任せるほど、社員は育つ。無難な人事よりも、意外性のある人事の方が社員も組織も一段と強くなる。


これらの原則にのっとった育て方を実践すれば、社員の才能はどんどん開花する。有能な人財が増えて、お客様からの信頼が一段と厚くなる。


そして、お客様からの信頼が厚くなるほど、会社の底力は強くなる。


信頼さえあれば、無一文になろうが、経営資源が尽きようが、ライバルに追い抜かれようが、どんな危機的状況下に陥ろうが、挽回のチャンスに恵まれる。


商売は最初も最後も人、企業の盛衰を分かつのも結局は人だ。


つまり、人財資源をしっかり磨くほど、会社の未来は明るくなるのだ。


優れた人財を育てる正攻法


優れた人財を育てる正攻法について、詳しく解説する。


社員を素晴らしい人財に育て上げるには、社長が素晴らしい人間になる必要がある。


子供が親の言動を真似るように、社員は上の人の言動を見て育つからだ。


素直な社員ほど、社長や上司の一挙手一投足をよく観察し、良いも悪いもそっくり真似るものだ。


川の流れが高い方から低い方に流れるように、社員の手本も、トップからボトムに向かって流れるのが自然の摂理だ。


つまり、組織の最高位にいる社長の手本が見事であれば、社員もそれに倣って見事に育つ。社長の良き手本となる努力が、社員の成長を後押しし、人財資源の拡大を支えるのだ。


社長の器磨きも重要だ。


会社は、社長の器以上に大きくならないと言われるが、本当にその通りだ。


たとえ急成長したとしても、社長の器から溢れたものは、すべてこぼれ落ち、会社は必ず衰退する。


社長の器を磨くうえでとりわけ重要なのは、人間性と経営能力だ。


人間性はモラルある言動を意識すれば磨かれ、経営能力は社長業の要となる決断力を強化すると磨かれる。


決断力を強化する要素は様々あるが、とりわけ重要なのは責任感だ。自分の責任で決断するほど決断力に磨きがかかり、社長の風格や威厳までも高まる。


結果、見事な社長が、見事な社員を育てる良好なスパイラルが回り続ける。


皆さまもどうか、人財という最強の経営資源を最大限活用すると共に、経営能力を高める努力を続けて頂ければと思う。


(この記事は2023年9月に執筆掲載しました)


筆者プロフィール

ビジネスコンサルティング・ジャパン(株)代表取締役社長 伊藤敏克。業界最大手の一部上場企業に約10年間在籍後、中小企業の経営に参画。会社経営の傍ら、法律会計学校にて民法・会計・税法の専門知識を学び、2008年4月に会社を設立。一貫して中小・中堅企業の経営サポートに特化し、どんな経営環境であっても、より元気に、より逞しく、自立的に成長できる経営基盤の構築に全身全霊で取り組んでいる。経営者等への指導人数は延べ1万人以上。主な著書「小さな会社の安定経営の教科書」、「小さな会社のV字回復の教科書」