社長業の鉄則7|会社経営のセオリーを大切にする


セオリーを大切にする会社は強い。


事実、景気が悪かろうが、業界が衰退しようが、どんな状況に陥ろうが、成長し続ける会社がある。


じつは、そういう会社ほど基本のセオリーをやり尽くしている。


前向きなマインド、経営資源の最適化と最大化、人財育成の強化だけでなく、社員の挨拶や社長の言動に至るまで、見事なほどに会社経営のセオリーが徹底されている。


調子の良し悪し関係なく、できないことをやる必要はない。


できることをセオリー通りにやれば良いだけだ。


楽をしようとして、横着するのはやめた方がよい。ほんの小さな手抜きが大きな失敗に繋がることがあるからだ。


決して背伸びせず、地に足をつけて、基本に忠実に、一つひとつセオリーをやり尽くしていけば、自然と好調がキープできるようになる。


基本の先に強いセオリーが生まれる


セオリーから外れるのは、基本をやり尽くした後だ。


基本をやり尽くした先に、強いセオリーが生まれるからだ。


例えば、修行過程の進歩を表す「守破離」という言葉がある。


まずは基本を忠実に守り、その基本が板についたら創意工夫を重ねて徐々に元の基本を破り、最後に独自性を追求し、元の基本を離れる、という意味だ。


守破離の「守」は最も重要だ。しっかり基本を守ることが、創意工夫や独自性を活かす土台を盤石にし、企業繁栄のスピードを加速するからだ。


この原則に徹していれば、好調から不調に転落することが殆ど無くなる。


また、社長が生来持っている資質、才能、能力が最大限に活かされて、あなたらしい、あなただけの経営スタイルも確立される。


自由で楽しい会社経営、あるいは、オリジナリティに溢れる商品やサービスの創出は、基本のセオリーを大切にすることで実現できるのだ。


基本を大切に、常にセオリーから外れない


基本をおざなりにして、


セオリーから外れると、状況はなかなか好転しない。


いつまで経っても会社経営に自信が持てないし、背伸びや浮足立った言動も多くなりがちだ。


言葉が上滑りしたり、行動が空回りしたりして、いつも出たとこ勝負、いつも行き当たりバッタリの自己流の采配に終始する。


言動に一貫性がなく、継続性もないので、ことあるごとに社員と顧客の信頼を失ったり、安易な独自性や創意工夫に走って失敗したりする。


成功に近道はない。


地道な基本の積み重ねが、とんでもない成功を引き寄せる確かな方法だ。


皆さまもどうか、基本のセオリーを大切にして、他人よりも楽をしようとせずに、当たり前の仕事を当たり前にコツコツ積み上げて頂ければと思う。


(この記事は2023年9月に執筆掲載しました)


筆者プロフィール

ビジネスコンサルティング・ジャパン(株)代表取締役社長 伊藤敏克。業界最大手の一部上場企業に約10年間在籍後、中小企業の経営に参画。会社経営の傍ら、法律会計学校にて民法・会計・税法の専門知識を学び、2008年4月に会社を設立。一貫して中小・中堅企業の経営サポートに特化し、どんな経営環境であっても、より元気に、より逞しく、自立的に成長できる経営基盤の構築に全身全霊で取り組んでいる。経営者等への指導人数は延べ1万人以上。主な著書「小さな会社の安定経営の教科書」、「小さな会社のV字回復の教科書」