人事評価の効果的クリエイティブステップ|能力開発に役立つ評価基準3

 

人事評価の効果的クリエイティブステップについて、解説する。

 

社員のスキルアップを図るうえで重要視すべきは、ワーク・ビジネス・ヒューマンの各スキル、並びに、人望とモチベーションに加えて「創造力」がある。

 

豊かな創造力があれば、仕事の成果を高めることも、チームの結束を高めることもできるからだ。

 

下図は、社員の創造力のレベル測定、並びに、創造力を育成する際に活用できるクリエイティブステップだ。

 

創造力のクリエイティブステップ
レベル5 業界の常識を覆す大きな課題を立てて、答えを生み出せる。 新しいブランドや業態を開発し、業界の繁栄に貢献する
レベル4 自ら課題を立てて、答えを生み出せる。 新規事業や社内改革を成し遂げ会社の繁栄に貢献する
レベル3 日常業務や前提条件を疑い、自ら課題を立てられる。 会社、職場の課題解決の方法を自ら提案する
レベル2 与えられた課題に対して、たくさんの答えを考えられる。 会社、職場の課題を問われて方法を考える
レベル1 命じられた仕事を、工夫してより良くこなせる。 置かれた状況や立場に合わせて仕事を工夫する
レベル0 命じられた仕事を、きちんとこなせる。 言われた通り、業務を遂行する

 

段階(ステップ)が上がるにつれて、社員の創造力のレベルが高いことを示しているが、昇格タイミングの目安は以下の通りになる。

 

初めてのリーダークラスの入り口は「レベル2」、

 

部門の長や部課長クラスの入り口は「レベル3」、

 

経営幹部や経営者クラスの入り口は「レベル4」、

 

業界トップ企業の社長クラスの入り口は「レベル5」が、それぞれの階層で求められる創造力の目安になる。

 

なお、創造力は、課題に対して答えを考えることから育ち始めるので、クリエイティブステップのレベル2に達したところからリーダークラスの役割を積極的に与えると、幹部候補が育ち易い環境が整う。

 

人事評価のクリエイティブステップの運用と効果

 

人事評価のクリエイティブステップの運用と効果について、解説する。

 

創造力は学びと実践の繰り返しで鍛えられるので、知っていることを実践させることが何よりも大切になる。

 

社員の知る意欲を高め、考える力(創造力)を強化するには、社員に対して、クリエイティブステップの現在地を客観的に評価し、目標を示すことが重要になる。

 

例えば、新人に対してはレベル0からレベル1へのステップアップ、リーダー候補にはレベル1からレベル2へのステップアップ、幹部候補にはレベル2からレベル3以上へのステップアップを促せば、創造力の向上と共に考える力と仕事の成果が一段と大きくなる。

 

創造力が鍛えられるほど、ワーク・ビジネス・ヒューマンの各スキル、並びに、人望とモチベーションが向上し易くなるので、個々の人財育成や能力開発の効率も飛躍的に高まる。

 

さらに、創造力豊かな人財が増えるほど組織のパフォーマンスが向上するので、事業活動の成果もより大きくなる。

 

加えて、創造力が起点となって、たくさんのイノベーションが誘発されるので、新しい商品やサービスを生み出す活気ある組織風土も育まれる。

 

創造力を社員の人事評価と能力開発の基準に活用するだけで、組織力の向上と共に、会社経営の成果が一段と大きくなるのだ。